債券は上昇、30年債入札の順調な結果受け-超長期ゾーンや先物に買い
7月4日(ブルームバーグ):債券相場は上昇。きょう実施の30年債入札が順調な結果だったことで午後に買いが優勢になり、超長期ゾーンや先物中心に堅調な推移となった。
東京先物市場で中心限月の9月物は前日比5銭高の142円40銭で始まり、午前は142円40銭台を中心に推移した。午後の取引開始後から水準を大きく切り上げ、零時45分の入札結果発表の前後には40銭高の142円75銭まで上昇。先月28日以来の高値を付けた。その後はやや伸び悩んで、結局は13銭高の142円48銭で引けた。
現物債市場で長期金利 の指標となる新発10年物国債の329回債利回りは同0.5ベーシスポイント(bp)低い0.865%で始まり、いったんは0.5bp高い0.875%に上昇した。しかし、午後の開始後には0.845%に急低下。3時半すぎから0.855%で推移した。新発5年物の112回債利回りは0.5bp低い0.315%で開始。午前は0.325%に上昇する場面もあったが、午後零時45分ごろに0.31%に低下した。その後は横ばいの0.32%。
超長期債は堅調。20年物の145回債利回りは0.5bp高い1.755%で開始後、10時半すぎからは1.5bp高い1.765%と先月25日以来の高水準で推移した。しかし、午後1時前に4bp低い1.71%まで低下。その後は1.72%。30年物の39回債利回りは一時1.5bp高い1.905%に上昇した後、午後1時前に1.845%に急低下。その後は下げ幅を縮める場面もあったが、3時半すぎからは5bp低い1.84%で推移した。
財務省がこの日実施した表面利率1.9%の30年利付債(39回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円10銭と市場予想を20銭上回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価格の差)は1銭と前回の32銭から大幅に縮小。投資家需要の強さを示す応札倍率は3.96倍と前回の4.06倍からやや低下した。
SMBC日興証券金融経済調査部の山田聡部長は、30年債入札は事前予想を上回る結果だと指摘。「最低落札価格は100円10銭と、市場予想に比べて上振れた。テールも1銭と前回から大幅に縮小した」とし、先物の買いに加え、10年債も強くなったと説明した。
円は対ドルで1ドル=99円台後半。ユーロに対しては1ユーロ=129円台前半。東京株式相場は下落。TOPIX の終値は前日比3.10ポイント(0.3%)安の1170.71と6日ぶりに反落、日経平均株価 は36円63銭(0.3%)安の1万4018円93銭と続落した。
メリルリンチ日本証券の大崎秀一債券ストラテジストは、米国市場の休場を控えて取引は抑え気味だが、国内債券は買いが入りやすい地合いだと指摘。「欧州情勢の雲行きが怪しくなったことで、国内債は消去法的に買われる見通し。10年債利回り0.8%台では一定の水準感も醸成されている」とも言う。
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更新日時: 2013/07/04 16:41 JST