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被災地の「今」地図に 出版社、復興状況の反映急ぐ

被災地で住宅地図更新の調査に当たる尾形さん

 東日本大震災の被災地の最新の情報を盛り込んだ地図の作製が、急ピッチで進んでいる。地元住民や自治体から更新を求める声が多く、出版社は復旧・復興の状況を調査し、地図に反映させようと懸命だ。

 住宅地図を手掛けるゼンリン(北九州市)の仙台地区の調査担当尾形尚彦さん(39)は、仙台市宮城野区の被災地を歩く。昨年7月に調べた地図を基に、新しい建物や住宅ができたかどうかを一軒ずつ確かめた。
 6月中旬、津波の浸水域だった宮城野区蒲生2丁目の調査を終えた。被災家屋の解体工事がほぼ終わり、更地が広がる。
 尾形さんは「震災前は子どもの声が飛び交う住宅街だった。地図を通じて復興の実情を伝えたい」と話す。
 同社によると、被災者や地元自治体からは、仮設住宅の場所と住民の情報への要望が多い。同社は昨年9月、岩手、宮城、福島など7県の仮設住宅約5万1000戸を集中的に調査し、更新作業を終えた。
 同社は昨年2月と11月の2回、仙台市宮城野区の住宅地図を発行。通常は5年に1回更新する宮城県南三陸、七ケ浜両町についても、被災地の地図を前倒しで出版した。
 現在、仙台、釜石両市に調査拠点を置き、集団移転など新たな動きに対応するため、情報収集に当たっている。
 道路地図を作る昭文社(東京都)はことし3月、震災後の被災地の道路情報を盛り込んだ「震災対応版」の地図15点を発売した。震災で移転した市役所や役場などの公共施設、仮設住宅などを加え、最新の道路通行規制の状況を掲載した。津波の浸水域も一目で分かるようにした。
 同社の広報担当者は「被災者や復興に携わっている人に活用してほしい」と話している。


2013年07月03日水曜日


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