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原子力委公聴会「やらせ」 43人動員、11人に発言依頼

 東京電力が2005年に福島市であった原子力委員会の公聴会に社員らを動員し、原発推進の発言をさせた「やらせ」問題で、同社は3日、本店の指示で43人を動員し、うち11人に発言を頼んだことを明らかにし、委員会に報告した。
 同社によると、43人の内訳は福島第1、第2両原発の当時の社員33人、協力企業従業員3人、両原発の立地する双葉、大熊、富岡、楢葉4町の住民7人。公聴会出席者は135人で、動員対象者が全体の3割を超す。
 発言依頼を受けた11人は社員、協力企業従業員3人ずつ、住民5人で、全体の発言者23人の半数近い。11人は全員が原発に賛意を示す発言をした。同社は「発言内容を指示した事実は確認されなかった」としている。
 動員と発言依頼は本店立地地域部の意向で、部長級幹部から両原発に「第1、第2で社員5人ずつ発言してもらえないか」と指示があった。
 同社は公聴会当日、両原発からバスを出して社員を会場に運んだ。住民は社用車で送り迎えし、飲食店で1人3000円の昼食を提供した。謝礼はなかったという。
 同社はやらせ疑惑を指摘する原子力委員会の意向を受けて3〜7月に調査した。3日に福島県庁で記者会見し、結果を公表した。
 公聴会は委員会が原子力大綱の策定に向けて住民の意見を聴くとして05年8月19日に福島市、8月26日に東京都で開いた。東京会場ではやらせはなかったとしている。
 福島本社の石崎芳行代表は「不適切だったと反省し、おわびを申し上げる。二度とこのようなことがないようにしっかりやっていく」と話した。


2013年07月04日木曜日


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