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【宮塚利雄の直球&曲球】金正恩に恐怖を感じさせた「できごと」
しかし、どうしたことか、この工場は2011年に父親の金正日総書記が訪問したにもかかわらず、視察を紹介する展示物の整備を2年以上も怠っていた。整備を怠っていた工場責任者の“肝っ玉ぶり”に感嘆するが、「ある所になければならない物がない」現実を見た金正恩の驚きと恐怖感は尋常ではなかった。
祖父の髪形をまね、横柄な態度で党や軍の幹部を従え意気揚々として視察に来た金正恩は、亡き父の功績を展示するコーナーがないことに気付いた。怒りのあまり、「この工場の党責任者は党の方針を守っていない。工場で何を見て、何を指導しているのか」と嘆き、「この工場が高い水準を維持した正常な生産ができていない原因がどこにあるのか分かる」と激しく叱責したという。
しかし、怒り以上に金正恩を恐怖に陥れたのは、今や党や軍ばかりでなく人民も金ファミリーの統治に盲目的には追従していないという現実を知ったことなのである。
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【プロフィル】宮塚利雄
みやつか・としお 山梨学院大学経営情報学部教授。1947年、秋田県出身。高崎経済大卒。韓国・檀国大学校大学院経済学科博士課程単位取得満期退学。専門は朝鮮近代経済史。主な著書に「北朝鮮驚愕(きょうがく)の教科書」(宮塚寿美子との共著)など。
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