「日本でナショナリストの影響力が拡大―領土問題受け」のウォールストリート・ジャーナル日本語版オンライン記事、これと英語版の「Japan's Nationalist Movement Strengthens」を比べると実際には大きく異なり、英語版は日本への悪意に充ち満ちている。
例えば日本語版にはない“sex slaves性奴隷”等のAnti-Japan説明が英語版では数多く追加されており、この違いを比較して紹介する。
以下のURLで上が日本向けの日本語版、下が英語版。
http://jp.wsj.com/Japan/Politics/node_494854/?mod=ART
jp.wsj.com/Japan/Politics/node_494854/
日本でナショナリストの影響力が拡大―領土問題受け 2012年 8月 15日
http://online.wsj.com/article/SB10000872396390444130304577558364214636398.html?KEYWORDS=YUKA+HAYASHI
online.wsj.com/article/SB10000872396390444130304577558364214636398.html
Japan's Nationalist Movement Strengthens Updated August 14, 2012, 11:15 p.m. ET
記事は上記から読めるが以下の拙ブログ欄にも保存してあり、また英語版の和訳も載せておいたので、Wordや一太郎などワープロソフトにコピー・ペーストしてお読み下さい。
(ブログの文字数制限により別々のブログ欄になっている。)
日本語版
ksuzuki.iza.ne.jp/blog/entry/2822758/
英語版 原文
ksuzuki.iza.ne.jp/blog/entry/2822776/
和訳文
ksuzuki.iza.ne.jp/blog/entry/2822759/
まず、日本語版の「日本でナショナリストの影響力が拡大―領土問題受け」を開くと、[英語(原文)]のタグがある。 だがそこは有料登録しないと見ることが出来ない。
しかし、上記URLの英語版サイトに直接アクセスすると全文を閲覧できる。
両者を比較すると、まずタイトルからして違っており、日本語版の「領土問題受け」の記載が英語版にはない。
日本語版には“領土問題だけ記載“かのように感じるオブラートを追加している。
中を見ると最初に気が付くのは、日本語版には1枚しかない写真が3枚になっていること。
石原慎太郎都知事の写真(Tokyo Governor Shintaro Ishihara is the face of Japanese
nationalism.)(石原慎太郎都知事は日本ナショナリズムの顔)には、講演などで普段見慣れた作家・政治家としての顔ではなく、ある一瞬を切り 取った顔を使用し、ネクタイ部分はCutされ、肘を曲げ手の平を伸ばして右手を眼の横に水平に上げる仕草は如何にも世界共通の儀礼さえ連想させる。
人間誰しも、笑った顔、怒った顔、眠そうな顔、等があり、どのように聡明な人でも眠そうな一瞬を切り取れば余り利口そうには見えず、いかに温厚な人も怒った一瞬を切り取ればそのようには見えない。
国内であればそのような写真を使うのも良く“あの人の眠いの時の顔”と直ぐに分るからだ。
しかし、海外の誰も顔を知らない石原氏を紹介する記事に使用するのはフェアーでないだけでなく悪意そのもの。
一方、米国ニュー・ジャージー州に設置された慰安婦少女像の前にいる元慰安婦だったと説明のある女性は如何にも穏やで嬉しそうな笑顔をしている。 人口の約52%を韓国系米国人が占める同州の都市では、旧慰安婦ではなく単なる住民かもしれないのだが。
大体からして、日本語版には“ニュー・ジャージー州の慰安婦少女像”に関する記載が全くない。
更に、日本語版・英語版の両方にあるもう一枚の写真では違いが歴然としている。 日本語版の説明は「従軍慰安婦問題で反日デモを行った韓国の学生グループ (先週)」だけだが、英語版では「South Korean students marched last week during a
memorial for 'comfort women,' who worked as sex slaves for Japanese troops in World War II.」と、「第2次大戦中、日本の軍隊へ性の奴隷として働いた」の説明が追加されているのだ。
文章を見ると、英語版では内容量自体が日本語版の2倍近くある。
文全体として前後で何ら脈略がなく、日本への悪口と隣国の正当性を前後無関係に単に次々とあげつらっているだけで、寧ろ悪口を箇条書きにした方が分り易い。
日本語版では日本人が気にならない程度の穏やかな表現に対し、英語版ではバイアスを掛けた日本バッシングの過激な内容。
日本語版では“Nationalistに野田政権が困っている”と記事の主体は野田政権だが、英語版では主体はNationalistであり、彼らが日本を牛耳っているかのようだ。
具体的に見ると
日本語版では「(閣僚が)靖国神社を参拝する意向である」と参拝は確定でないが、英語版では“visited訪問した”と過去形で書かれており、更に靖国神社を「過去の帝国主義と強く結びついた施設」と日本語版には無い説明がある。
“韓国の李明博大統領が竹島を訪れ日本が激しく反発した。李大統領は日韓両国の関係改善のためには日本は歴史問題を解決する必要があると訴える見通し”。と李明博大統領を穏やかに扱っている。
しかし英語版にはある、 “ 第二次世界大戦中に日本の軍人により性の奴隷にされた韓国女性達のことにも(李大統領が)注釈をつけた “ 事に関しては日本語版では何ら記載が無い。
韓国の方で招待していながら「韓国に来たければ、天皇は謝罪しろ」と言ったことなどは,英語版・日本語版のどちらにも書かない。
ロシアの国防省が南クリル諸島(北方領土)に艦船をまもなく派遣するよう言ったことに関しては日本語版では何も触れていない。 しかも訪問は「第二次世界大戦での戦没兵を礼拝する為」と穏やかな理由による。
メドベージェフ首相が訪問し「自国の領土へ行くのに何の問題があるか」と挑戦的に言ったことは何も書かれていない。
日本語版では、“中国から海外に逃れた亡命ウイグル人による「世界ウイグル会議」が5月に東京で開催された”だが、英語版では“北京(中国政府)からテロリストと烙印を付けられたウイグル分離主義者の大きな会議を東京で主催して“となっている。 日本は単に場所を貸しただけなのだが。
英語版にはある、「別の国会議員のグループがアメリカを訪問し、第二次世界大戦中の日本による韓国占領期間に軍の売春宿で働かされた韓国女性、いわゆる慰安婦のニュー・ジャージー記念碑の撤去を求め、ソウル(韓国政府)に不満を引き起こしている」の記載が日本語版では全く無い。
石原氏が “Noと言える日本”の著作者であるということは日本語版では書かれていない。
映画監督兼脚本家の水島総氏が運営するのは日本語版では「討論番組主体の有線テレビ局」だが、英語版では「右翼のトークショーに焦点を当てた有線放送局」であり、 “「尖閣諸島。 例え日本が中国と戦争になろうとも」と呼ばれるインターネットショーは37000人の視聴者を引き込んでいる。”ことは日本語版には書かれていない。
英語版で「Nationalistの政治家」を、日本語版では「保守派政治家」としているが、Nationalistは国粋主義者の意味合いが強く、保守派はconservative。
以上相違点を幾つか抜き出したが、内容量に2倍近くも差がある全ては書き切れない。違いの詳細は英語版/日本語版を比較してご覧頂きたい。
石原都知事は先月(2012,7)27日付で,この「米ウォールストリート・ジャーナル」に尖閣諸島購入への理解と支持を求める意見広告を掲載している。
www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/diplomacy/579729/
都が尖閣購入に理解呼びかけ「米国は太平洋の全てを失いかねない」
広告掲載から僅か半月でウォールストリート・ジャーナルに記載した、この「Japan's Nationalist Movement Strengthens」が、都の意見広告を標的にしていることは間違いないだろう。
自らがメディアを選択し金を払って広告を掲載したその新聞社からこのように敵意を持った仕打ちを受けていることを石原慎太郎氏は知っているのだろうか?
筆者はウォールストリート・ジャーナル日本担当の女性記者 Yuka
Hayashi氏だが、「これが正しい」と信念を持って書いたのであれば、英語版と日本語版で変える必要はなく、内容を変えているのは日本への悪意に他な らない。 日本語に詳しくない米国人上司は英語版と日本語版で内容が違うとは夢にも思わず、「米ウォールストリート・ジャーナル」を操るのは彼女の思い のまま。
更に恐ろしいのは、英フィナンシャル・タイムズ紙までが「尖閣諸島巡り日中緊迫 領土問題 先送り恥じるな 」との社説を書いていること。(日経2012 08 23)
「日本のナショナリストが島を訪問した。」「日本ではナショナリストの石原慎太郎東京都知事が所有一族から島を買い取るため寄付を集めている。」「金切り 声でナショナリズムを叫ぶ連中の言うことを聞いてはならない。」などの内容。 以前は尖閣に日本の鰹節工場さえ有ったことすら知らずに書いているのだろ う。
英FT紙が米ウォールストリート・ジャーナルを読んで書いたことは十分に考えられ、正にYUKA HAYASHI氏の術中に嵌った感じ。
YUKA HAYASHI氏は他にも悪意に満ちた記事を米国に発信し続けているようだ。
Yuka Hayashi氏 がどういう人物なのかは不明。
本名はハヤシ(林)氏ではなく、リン(林)氏かも知れず、国籍が日本かも不明。
blogs.wsj.com/japanrealtime/2010/09/15/video-the-implications-of-yen-intervention/
上記URLにて女性2人が英語で話しており、右がYuka Hayashi氏
ここまで日本に敵愾心を持つ記事を書くのがもし日本人だとしたら、一体どのような経歴を持つ人物なのか。
Yuka Hayashi氏の素性に関しご存知の方がいらしたら、コメント欄に記入してお教え頂きたい。
[追記]
思い出すのが、2010年9月10日と20日の2回、米ニューヨーク・タイムズ(電子版)による、尖閣諸島に関する記事。「中国に分がある」「尖閣諸島の 紛争で米国が日米安全保障条約を発動する可能性はゼロ」などと書いており、駐ニューヨーク日本総領事館が反論文を送っている。
この記事を書いたのはNicholas D. Kristof記者でN.Y.タイムズ東京支局長の経験があり、米国で最高に権威のあるピュリツァー賞を2度受賞している人物。
しかし後になって知ったのだが、彼の妻Sheryl WuDunn 氏(伍潔芳)は中国系アメリカ人三世だった。
日中間の問題で彼の記事にバイアスが掛かるのは当然のことだった。
また、米メディア大手ワシントン・ポスト社傘下のニューズウィーク誌の買収にも中国は動いていた。獲得には失敗したが成功していれば、チベットやウイグル 族など少数民族の弾圧や言論規制・人権抑圧など共産党独裁による様々な暴挙を正当化する主張や中国に有利な情報などをこの名門誌に載せていたのだ。 買 収までしなくとも多くのマスコミに中国が入り込んでいるのは想像に難くない。
日本の新聞では政党系を除き、一般紙は少なくとも表面上は中立を保っているが、米国では、大統領選でどちらを支持するか前記のような一流紙が明確に主張するのが通常のこと。
バイアスの掛かった記事位は日常茶飯事で問題にもならないようだ。
荒天中の航海にも拘らず凪としか感じない能天気な日本政府。
世界各地で情報操作の戦いが行われていることに、暢気な日本政府は無関心。
「知らぬは日本政府ばかりなり」なのだろうか。
[参考]
ksuzuki.iza.ne.jp/blog/entry/814625/
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ksuzuki.iza.ne.jp/blog/
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by ksuki
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