長崎・西海の女性2人殺害:ストーカー死刑 「相談に行った相手を間違えた」 遺族、警察へ怒り今も

毎日新聞 2013年06月15日 大阪朝刊

 長崎ストーカー殺人事件では、千葉県警習志野署が被害届の受理を先送りして慰安旅行に行ったほか、遺族から筒井被告の暴力やストーカー行為を度々相談された千葉、長崎、三重3県警の連携や危機意識の不足など問題点が次々に浮上した。

 事態を重くみた警察庁は2012年8月、全国の警察本部に原則として被害届を即時受理するよう指示。今年2月には、ストーカー行為や配偶者暴力(DV)の相談強化策として、刑事手続きや支援対策の流れ、選択肢を明示した書面を使うなど被害者の意思決定を支援するよう求めた。更に、ストーカー事件で警察本部間の情報共有を担う連絡担当者を各警察本部に置いた。

 一方、長崎地裁判決は、事件で顕在化した警察の不適切な対応についての言及は一切なかった。DV被害者を支援する岡山市のNPO法人「さんかくナビ」の貝原己代子理事長は「非常に残念。裁判所は警察の対応が不十分という認識がないのだろうか」と疑問を示した。

 更に「ストーカー被害者はDV被害を受けているケースも多く、重大な事件につながる恐れがあることを警察はきちんと認識すべきだ」と改めて注文した。【川上珠実、木下武】

 ◇被告「判決怖い」 接見取材に

 「被告人を死刑に処する」。黒いスーツに、青いネクタイの筒井被告は正面の重富朗裁判長を見据え、淡々とした様子で主文を聞いた。

 約1時間の公判は、主文の読み上げ後、裁判長の説諭もなく、すぐに閉廷。筒井被告は職員に退廷を促され「終わり?」「言えない?」と、やや不満そうな表情を浮かべた。その後、弁護人に声をかけ、法廷を後にした。

 「本当は恐ろしくて泣き叫びたかった。判決が怖い」。判決を3日後に控えた11日、筒井被告は長崎拘置支所で毎日新聞の接見取材に応じて語った。比較的落ち着いた様子で、手元のノートを見ながら淡々とした話しぶりだった。「公判では言えなかったことがたくさんある。早く言う場がほしい」と、控訴を示唆していた。

 接見終了間際には「引きこもりでストーカーでDVしている若者なんて、パーフェクトですね。皆、先入観を植え付けられている」と自嘲気味に話した。判決を前に報道各社に配ったB5判14ページにわたる手記にも「対抗不可能な流れの中で説明しようとしても翻弄(ほんろう)されるばかり」などと不満を訴えた。

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