アジア・太平洋株式サマリー:香港株が続落、中・印株も下げる
7月3日(ブルームバーグ):アジア・オセアニア各株式市場の動きは以下の通り。
【香港株式市況】
香港株式 相場は続落。香港の住宅販売減少や、中国の非製造業購買担当者指数(PMI)でサービス業の拡大ペースの鈍化が示されたことが嫌気された。
時価総額で世界最大の銀行、中国工商銀行 (1398 HK)は4%安。香港最大の不動産開発会社、サンフンカイ・プロパティーズ(新鴻基地産発展、16 HK)は2.3%下げた。宝飾品販売の六福集団(国際、590HK)は2.9%値下がり。5月の香港の小売売上高の伸び率が市場予想を下回った。
ハンセン指数 は前日比511.34ポイント(2.5%)安の20147.31で終了。ハンセン中国企業株(H株 )指数は同3.3%安の8900.25で引けた。
日興アセットマネジメント・アジアの、スーナム・ウン最高投資責任者(CIO、シンガポール在勤)氏は「中国の景気減速懸念や米金融緩和縮小の観測を背景に、市場の地合いは引き続き弱い」と指摘。「中国の株式は非常に割安だ」と述べた。
【中国株式市況】
中国株式 相場は4営業日ぶりに下落。金融株と産業株が下げを主導した。中国の非製造業購買担当者指数(PMI)でサービス業の伸び鈍化が示されたほか、投資家の間で新規株式公開(IPO)が今四半期に再開されるとの観測が広がった。
中国最大の銀行、中国工商銀行(601398 CH)が2%下落したほか、不動産会社の金地(集団、600383 CH)は3.1%安。また、中国最大の機械メーカー、三一重工(600031 CH)は3%下げ、約3年ぶり安値を付けた。ニューヨーク原油相場が上昇したことが手掛かりとなった。
中国国家統計局と中国物流購買連合会が3日発表した6月の非製造業PMIは53.9に低下。クレディ・スイス・グループは、中国当局が10月までにIPO再開を承認する可能性があるとの見方を示した。
上海証券取引所の人民元建てA株と外貨建てB株の双方に連動している上海総合指数 は、前日比12.29ポイント(0.6%)安の1994.27で終了。上海、深圳両証取のA株に連動しているCSI300指数は同0.8%安の2203.83。
大衆保険の呉侃ファンドマネジャー(上海在勤)は、「PMIのような先行指標は中国経済が依然弱いことを示唆している」と指摘。「IPOの再開時期をめぐる不確実性が地合いの重しとなっている」と述べた。
【インド株式市況】
インド株式 相場は下落。指標のS&Pセンセックス指数は2週間ぶりの大幅安となった。9カ月ぶりに1バレル=100ドルを突破した原油相場とルピー安で、インド準備銀行(中央銀行)の利下げ余地は抑制されるとの懸念が広がった。
ムンバイ市場でのセンセックス指数 は前日比286.06ポイント(1.5%)安の19177.76で終了。世界最大の製油所を所有するリライアンス・インダストリーズ は1週間ぶり安値を付けた。資産規模でインド最大の銀行、インドステイト銀行 は6週間で最大の下げ。ルピーは対ドルで下げ、過去最安値まであと0.7%となった。
インド中銀は先月17日の政策決定会合で政策金利を据え置いた。インフレ率は5月の卸売物価指数(WPI)で測れば3年7カ月ぶり低水準だが、消費者物価指数(CPI)の伸び率は9.31%と、主要20カ国・地域(G20)でアルゼンチンに次ぐ2番目の高さ。インドは原油需要の約80%を輸入に頼っている。中銀の次回会合は30日に予定されている。
【オーストラリア株式市況】
S&P/ASX200指数は前日比89.88ポイント(1.9%)安の4744.13。
【韓国株式市況】
韓国総合株価指数は前日比30.36ポイント(1.6%)安の1824.66。
【台湾株式市況】
加権指数は前日比104.44ポイント(1.3%)安の7911.42。
更新日時: 2013/07/03 20:42 JST