ドル100円後半、豪ドル/ドルは2年10カ月ぶり安値
[東京 3日 ロイター] - 東京外為市場午後3時のドル/円は、ニューヨーク午後5時時点とほぼ変わらずの100円後半。朝方、株価先物の気配値上昇に反応した短期筋のドル買いで一時100.86円と4週間半ぶりの高値を付けたが、利益確定売りや輸出企業のドル売りなどが流入して伸び悩んだ。
午後、日経平均.N225がプラス転換する場面では持ち直したものの、朝方の高値を上回るには至らなかった。一方、豪中銀のスティーブンス総裁の発言で金融政策の緩和バイアスが意識され、豪ドル/ドルは2年10カ月ぶりの安値圏に急落した。
午後のドル/円は明確な方向感は出ず、100円後半で一進一退となった。日経平均.N225が一時プラス転換するとドル/円も上昇したが「活発な取引が行われているわけではない」(大手邦銀)との声が出ていた。午前7時以降、午後3時までの値幅は上下41銭にとどまった。
ドル/円は前日の海外市場で6月5日以来の100円回復となったが、主要な米経済指標の発表もなく、米長期金利が小動きに終始し、米国株が下落するなかでドル/円が上昇したことについて、アナリストからは必ずしも上昇理由は明確ではないとの見方が出ている。
しかし、前出の大手邦銀関係者は「100円という水準は一度上抜けて降りてきた水準なので、大きなポイントではない。通常の相場つきのように、特段材料がなくても普通に通過してゆくポイント」と指摘した。「6月後半からドル/円自体の流れは出ている。97円台から戻し始めて、その流れの一環にある。マーケットのボラティリティも非常に落ち着いてきている。(ドル/円の100円回復は)きわめて自然な流れとみている」という。
<豪ドル/ドル、2010年9月以来の安値>
豪ドル/ドルは午後に急落して2010年9月以来の安値をつけた。オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のスティーブンス総裁が、資源投資ブームからのシフトは大きな試練との認識を示し、豪中銀はこの変化に対応するため引き続き妥当な措置をとる、と述べた。豪中銀の金融政策にはなお緩和バイアスが強いとの見方が改めて浮上し、豪ドル売りが強まった。