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『デスゲーム』、開始

『デスゲーム』が開始した日は平日だったが、その日『NARROW ONLINE』内にいた者は約3万人ほどいた。
だが別に彼等が全員ともニートであった訳ではない。
このゲームは土日が最もトラブルが起こりやすいことで有名だったために、そういうのが好きな一部の変態を除いた常識的なプレイヤーは平日利用をメインにしていたからである。


これはNO運営が完全週休二日制(それも土、日)を採用しており、

 Q:もし休日中にトラブルが起きた場合、どうすればいいですか?
 A:休日中にトラブルが起きましても、NO運営は一切対応しません。悪しからず。

と、公式ホームページでも公言するようなゴミクズ運営だったのも背景としていたりする。

(当然そんな記載をしていても万が一何かあった場合に発生する法的責任からは免れられないのだが、理系かつDQN&低脳しかいないNO運営はその事実に気づいてすらいなかったりする。)

だからこそテロリスト達はわざわざ平日にNO運営会社である『タンゴ・プロジェクト』を襲撃したのだが、そんな事情などゲーム内にいる者に判るはずがなかった。



その日、ゲーム内にいたプレイヤー達は酷く不安な気持ちに晒されていた。
何故ならNO運営に一切連絡ができないのだ。
それだけだったら頻繁にあることなので何もおかしくはない。安定のNO運営クオリティである。
だが今回は何かが異常だった。あちこちから怒鳴り声や悲鳴が絶えず聞こえており、『街』は暴徒と化した一部の馬鹿共が暴れてすらいるからだ。

いくら『安定のさやかならぬNO運営』と揶揄されているNO運営でも、ゲーム内を荒らす行為をした者に対しては超厳しいのだ。(ただし盗賊ギルドによる行為は除く)
はっきり言って異常事態である。


ちなみに過去に『伊蔵いくら』という盗賊ギルドマスターに酷い目に遭わされたプレイヤーが掲示板で名指しで批判をしただけで、書き込みだけではなくID削除までされたのは有名な話である。
だが、NO運営がいちいち膨大な書き込みをチェックするはずがない。そう考えた者が編み出した抜け穴があった。
ある意味簡単過ぎて誰も「そんなの通用しないだろ!」と思っていたのだが、予想に反して現在も通用していたりする。

一体どんな方法で? そのタネは簡単明快。
NO運営は『名前が同じでないなら削除しない』のだ。

たとえ同じようなキャラ設定や、バックストーリーや過去の行動がそっくりでも、同一と認められる単語を使わなければNO運営側としてはID削除をしない……いや、できないようなのだ。
実はNO運営側は法律のある条文を致命的に勘違いしているのだが、詳しい事情などNO運営内の中の人ではないプレイヤーに判る訳がない。

そんな訳で、その抜け穴の発見以降は『伊蔵』と書かずに『イクラ』や『IKURA』、『腐敗BBA』のように隠語で話すことでNO運営の削除巡回を回避していたりする。
さて話を戻そう。


大規模な暴動の『切っ掛け(切欠は誤字!キリッ)』になった大本の原因はハッキリしている。
プレイヤーがゲーム内からログアウトできなくなったのだ。

最初にそれが誰によって判明したのかは定かではないが、ゲーム内のコミュニティ掲示板『NARROW HANDLE KAKIKOMI』、略して『NHK』内の『匿名板』に少々思慮の欠けた書き込みがされたことによって爆発的に情報が拡散されてしまった。
以下がその該当部分である。


430 :この名無しがすごい!:20××/12/24(火) 13:35:08.18 ID:i9raTo39
  今夜はダーリンとデート♡
  今から支度しなきゃ!

431 :この名無しがすごい!:20××/12/24(火) 13:39:36.03 ID:i9raTo39
  ログアウトできない…だと…?

432 :この名無しがすごい!:20××/12/24(火) 13:41:05.49 ID:e1ko9853
  釣りか? 釣りなら正座させるぞ!
  まあ私も今夜はオペラを見に行く予定があって忙しいから後日で構わないがw
  本日はここまで

433 :この名無しがすごい!:20××/12/24(火) 13:43:52.38 ID:e1ko9853
  なん……だと……? 


匿名板だったので一体誰の書き込みだか判らないのが残念である。
嗚呼本当に残念である(棒

この書き込みから『ログアウトできない』といった噂が流れ、そして実際に誰もログアウトできなかった。
そして……上記の混乱へと繋がっていったのだ。


しかし、ここで後に事件の全てが解明した際に各分野から賞賛された者達が現れた。
彼等の個々の名は様々な諸事情により明らかにされていないが、彼等の『ギルド』名だけは判っている。

その名は『サラス・レイヤー』。

一見ただのコスプレギルドなのだが、実は色々な意味で高レベルなプレイヤーのみで構成された戦闘集団だったりする。
NARROW世界の各地に散らばっていた彼等が即座に動いたことで、この混乱による被害者が激減したとも言われている。

だが、あくまで『被害が激減した』だけであって、被害が全く出なかったわけではない。
後に判明するが、この時点でKILLされた者は軽く5,000人を超えていたりするが、そのうちの半分以上が火事場泥棒や混乱に乗じたPKを行っていたがために『サラス・レイヤー』に殺された盗賊ギルドメンバーだったりする。

そして彼等はだれ一人として復活してこなかった。

このことで後に色々と事情が解明されてゆくうちに『サラス・レイヤー』を叩く者達が現れ、結果としてギルドメンバーのうち十数人が盗賊ギルドメンバー達を殺してしまった罪悪感から自殺してしまったりするのは全くの余談だ。


さて、この大混乱によって今の状況が『デスゲーム』に近い状況だと知れ渡ってしまった。
そして『ゲーム内での死亡=プレイヤーが復活しない』が確定したことで、逆にこの混乱が沈静化したのは皮肉な事実である。
何故なら皆気づいてしまったのだ。


『ゲーム内での死=リアルでの死』の可能性に。
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