海江田万里代表は1日夕、東京都中野区で開催された「頑張れまさこ! みんなの力を結集する会」に出席し、参院選に立候補予定の大河原雅子参院議員とともに民主党の政策への理解を求めた。連合東京の須永謙治事務局長、東京税理士政治連盟の内藤信子会長、まさこサポーターズ会議の中下裕子弁護士、東京生活者ネットワークの大西由紀子代表らが駆けつけ、民主党からは菅直人最高顧問、長妻昭幹事長代行をはじめ、衆参国会議員、総支部長、都議会議員、市区町村議員が多数登壇して大河原議員の取り組みをたたえ、今後の活動に期待を寄せた。

 海江田代表は街頭演説等で差別的、暴力的な発言を浴びせられることが多くなってきたことを挙げ、「日本の民主主義を守らなければならないとつくづく思う。これではいけないという思いを強くしている」と語った。また民主党に対する否定的な声もあるなか、(1)まず自分自身を信じ(2)生活者の立場から日本の国の政治を行ってきた民主主義の政党である民主党を信じ(3)国民を信じる――の三つを信じることが重要だとの考えを示し、「民主党が頑張らなければ日本はどういう方向に行ってしまうか、本当に腹の底から民主党を信じて、民主党が頑張ることを議員一人ひとりが誓わなければならない」と強調した。

 また、国会会期末の政府・自民党の姑息な国会運営を批判するとともに、「現在、衆院で圧倒的な多数を占めている自民党が参院でも多数の議席を獲得してしまうと参院としての機能を果たせなくなり、衆院のカーボンコピー化していく。政府が間違ったときに野党が多数を占める参院で『悪いものは悪い』と指摘するチェック機能を果たすことが重要だ」と述べ、そのような視点から、都議時代も含め20年間に及ぶ政治活動を経験してきた大河原議員について、「一貫して生活者の立場から日本の国の政治に対してしっかりとモノを言ってきた」と紹介。「自民党が言うように衆参のねじれを解消する必要はなく、大河原議員らの視点を中心に、政府をチェックしていくことが民主党に求められる責務だ」と訴えた。

大河原雅子参院議員

  大河原議員は、3期12年東京都議を経験するなか、「自分たちが求める政治を実現するには自分で行動しなければ手に入らない」ということが分かるようになったと振り返った。「政治は市民が生活のなかで実現したいこと、不安に思っていること、不便に思っていること、解決をしたいと思っていることを解決するための道具」だとして、6年前に国政にステージを移してからも都議時代から継続して子育てや介護、食の安全などの問題、無駄な公共事業の見直し、有害化学物質対策など、生活上のさまざまな課題解決に取り組んできたことを報告した。

 3年3カ月の民主党政権の取り組みについては「一人ひとりの生活を安定・安心させるため、格差が広がる貧困問題に取り組んできた」「民主党政権が進めた『人への投資』はゆっくりとしか効果が表れないものだが、引き続き取り組んでいく」と話した。原発問題に関しては「2011年3月11日の東日本大震災の発災を受けて日本人の価値観が大転換した。日本が変わらなければならないことを実感した」と語り、「2030年代に原発稼働ゼロを目指してあらゆる政策手段を投入する」と掲げた民主党の政策への理解を求めるとともに、昨今では福島の原発事故はなかったかのような振る舞いをしている安倍政権を批判。「民主党政権は原発ゼロでこの国を作り変えていくことを宣言した初めての政権だ。生活者の代表、働く者の代表としてこの国を立て直すためにまっしぐらに戦っていく。ごく一部のお金持ちや外国の投資家のために政治をするのではなく、生活者のために政治を取り戻す」と訴えた。

有田芳生参院議員

 有田芳生参院議員もあいさつに立ち、「非国民とか売国奴といった言葉がインターネット上だけでなく、直接吐きかけられる異常な世の中になってきた。私は昨日、大久保の差別主義者たちのデモに抗議するために足を運んだ。『在日韓国人、朝鮮人殺せ、毒飲め、首つれ』といったとんでもない言葉を白昼平然と口にする差別主義者のヘイトスピーチ、差別扇動発言がこの東京や大阪の鶴橋でずっと続いている。その背景にはフェイスブック上で『民主党は息を吐くように嘘をつく』と書き込んだ安倍総理の発言がある。それがどこから出てきたのを調べるとインターネット上の2チャンネルの言葉で、それを一国の首相が平然と使っている。こんな恥ずかしいことはない。しかしそういう現実から出発しなければならない」「こういう時代にあってリベラルな、言葉を変えていえば、本当に体の中から民主主義を体現している大河原雅子さんは日本に不可欠な存在」だと述べた。

小川敏夫参院議員

 小川敏夫参院議員は、「アベノミクスそのものがおかしい」と述べ、株高・円安によって生活必需品の高騰が続き、暮らしへの影響が増大している安倍政権の経済政策を疑問視するとともに、「非正規雇用が増大する現状を改善しなければならないときに、正規雇用にも手をつけようとしている。恐ろしい話」だとして、限定正社員制度を推し進めようとする政府・与党の動きに危機感を示し、「しっかりと政治は国民の生活を守らなければならない」と訴えた。憲法96条の先行改正を目指す自民党の姿勢については「まず外堀を埋めて、あとは自由自在に憲法を改正しようとするものだ」と批判。「いま、国民にとって本当に大切なものをしっかり守り抜かなければならない大事なときだ。大河原議員は生活する人たちの視点、働く人たちの視点で政治を行う、ぶれない政治家だ」と述べた。

集会の参加者一人ひとりと握手する大河原議員