延長十一回に押し出し四球で巨人に勝ち越し点を献上した渡辺【拡大】
打線は六回以降わずか1安打だ。延長十回二死一、三塁から代打・関本が中飛に倒れるなど、決めきれなかった。
エース能見も五、七回と、いずれも二死から走者を出し、坂本に適時打を許した。相手は阿部を負傷により四回以降欠くという“非常事態”だった。そんな優位な状況で、自滅した格好だ。
和田監督は「引きずるようなところじゃない」と首を振ったが、果たして本当にそうか。セ・リーグは一騎打ちの様相。ここまで巨人には6勝2敗1分と圧倒してきた。ところが、こういう大事な試合で勝ち切れない。Vから遠ざかる7年間、指摘されてきた勝負弱さを解消しなければ、優勝など見えてこない。
「もう1回、気持ちを引き締め直して、明日、大事な試合になる。きょうはきょうで負けをしっかりと受け止めて、また明日に向かいます」
このカードでの奪首は無くなった。ただ、もう負けられない。3日、第2戦はルーキー藤浪が先発する。新しい虎の真価を示す。(阿部祐亮)
(紙面から)