11回、内野ゴロに倒れた阪神・西岡剛=甲子園【拡大】
「明日、仕返しをしっかりやりたいと思う」
クラブハウスへと通じる通路で、言葉を絞り出した。勝ち気の強い西岡らしい言葉だった。
気は吐いた。二回の第2打席、二死二塁から甘く入ったカットボールをとらえ、右前打を放つと、四回一死走者なしからは低めのボールを技ありでとらえた。打球は右前へポトリ。ルーキー菅野との4打席を振り返り、「良い感じで打てたと思う」と、2試合連続のマルチを記録。復調の兆しが見えてきた。
さらに足でも魅せた。六回一死走者なしで四球を選ぶと、スタートを切った。今季6個目の盗塁を記録。左足の状態で“自重”してきたが、21試合ぶりに解禁した。チーム全体でも、菅野から3盗塁。決死の西岡に導かれるように、チームで機動力を駆使した。
優勝するために、今季からタテジマに袖を通した。伝統の一戦、巨人戦にかける想いは、誰よりも強い。「仕返し」に込めた熱い闘志。あと2試合、この悔しさを絶対に晴らしてみせる。(渡辺洋次)
(紙面から)