2回、生還して出迎えを受ける阪神・新井良=甲子園(撮影・白鳥恵)【拡大】
「打ったのはワンシーム系だと思います。自分のスイングができました」
ひと振りで仕留めた。1-0の三回無死一、三塁だ。相手の失策なども絡み、絶好機で打席が回ってきた。そして、巨人のD1位・菅野智之投手(東海大)の2球目。140キロのボールを振り抜いた。痛烈な打球は三遊間を抜け、左前へ。待望の2点目を奪った。
6月12日の日本ハム戦(札幌D)以来、実に38打席ぶりとなるタイムリー。打点も同戦以来、10試合ぶりだった。2-2の延長十回にも左前打を放ち、今季18度目のマルチ安打もマークした。
6月は17試合で58打数14安打1本塁打3打点、打率・241。打点のなかった間はチームは3勝6敗。得点圏に走者を置いた場面での凡退が、目立っていた。
日々の積み重ねから復調の糸口をつかんだ。打席の中でのポイントを再チェックした。その1つが下半身の使い方。この日の試合前のフリー打撃でも、下半身を固定し、バットのヘッドを返すようにスイング。右方向に打球を飛ばしていた。
「下の使い方、下半身の使い方だね」
上体の力だけでは鋭い打球は打てない。打撃で重要なのは下半身-。基本を見つめ直して自身の打撃スタイルを取り戻していった。
「またあした。まあ、またあした」
トンネルを抜けて、勝負強い5番が戻ってくるか-。これをきっかけにして、3日の第2戦でやりかえす。新井が決めてみせる。(西垣戸理大)
(紙面から)