スパイク付きの棍棒でシナ人がウイグル女性を殺害…トルファン近郊で起きた惨劇の真相が浮かび上がった。そして中共指導部は首都ウルムチに大量の弾圧部隊を急派。再び虐殺の危険が高まる。 (注意:ショッキングな画像を含みます) 「当局はウイグル人のテロ事件としているが、違います。それはウイグル人虐殺なのです」 世界ウイグル会議総裁のラビア・カーディルさんが6月30日午後、西麻布の中共大使館前に姿を現した。来日期間中の緊急行動に、海外メディアも含む多くの報道陣が集まった。 ▼大使館前で訴えるラビアさん6月30日(AFP) 東トルキスタン各地で相次ぎ発生した深刻なウイグル人弾圧事件。ウイグルの母とも呼ばれる指導者ラビアさんが、今回の事態について初めて公の場でコメントするとあって世界が注目がしたのだ。 「テロリストなど存在しません。一方的に決め付ける中国政府の政策の結果なのです」 6月26日、東トルキスタン北東部トルファン近郊のルクチュンで、十数人のウイグル人が公安部隊に虐殺された。中共当局は、この惨劇をテロ事件と捏造し、更なる弾圧を加えている。 「ルクチュンの人々は、主に農業や園芸場を営んでいる人たちで、ウイグル人の中でも最も温厚だと言われています。中国政府の激しい抑圧政策は、そうした温厚な人々にも動揺を与えたのです」 ラビアさんは報道陣に対して切々と訴える。事件の背景に関する説明は、これまで中共当局が一方的に発表している内容とは大きく異なっていた。 ▼大使館前で抗議するラビアさん(AP通信) 「刃物を持ったグループが地元の警察署や政府を襲撃し、多数が死傷した衝突」(6月28日付東京新聞) 国内メディアの殆どは、弾圧組織側の発表や中共宣伝機関の報道をそのまま垂れ流し、ウイグル人“暴徒”による襲撃事件が起きたと伝えた。しかし、現地から伝わってきた状況はまったく違っていた。 【女性惨殺…凶器振り回すシナ人】 「これまでにルクチュンでは、約70人が拘束されました。その中には女性や13歳の子供も含まれています」 ラビアさんは、現地で大規模な弾圧が続いていると訴えた。独立系メディアの取材や独自ルートの調査報告から、ルクチュン全体が極めて危険な状態に陥っていることが明らかになったのだ。 ▼事件現場と見られる流出画像 海外のウイグル人組織は、6月26日早朝に撮影されたと見られるショッキングな写真を入手した。手前に横たわるウイグル女性は、頭部を損傷、出血量の激しさから既に息絶えている模様だ。 そして写真中央の右上、女性の遺体に歩み寄ってくる大柄な男の姿がある。右手に持っているのは、鉄製の棍棒だ。所属組織は不明だが、この男はシナ人と断定されている。 ▼スパイク付き棍棒握るシナ人 ウイグル人襲撃の瞬間を捕らえた証拠写真だ。2009年7月のウルムチ大虐殺でも、シナ人暴徒が鉄製の棍棒を振り回していたことが判明している。スパイク付きの凶悪なメイスだった。 ▼ウルムチのシナ人暴徒2009年7月(AP) 4年前の惨劇の記憶が甦る。そして凶器を手にしたシナ人の左後方に、倒れている人影が見える。2人だ。手前の1人は女性のように見えるが、詳しい状況は現在も不明だ。 ▼建物脇に2人が倒れている 中共当局や朝日新聞が主張する警察署襲撃とは、まったく様相が異なる。人通りの少ない早朝の路地で、まずウイグル女性らの虐殺事件が発生していたのだ。 「生活ゴミ処理場の建設計画や歴史文化名称プロジェクトが長期に渡って停滞し、地元住民の強烈な不満を招いている」 あるルクチュン住民は、当局による強制立ち退き命令が事件の原因だと指摘する。シナ各地で続く強引な土地収用問題のひとつであるという見方だ。 それがウイグル女性虐殺とどう関係しているのか不明だが、他の東トルキスタン各地と同様、強い不満が燻っていたのは確かだろう。別の現地住民は、朝から異常な事態が始まっていたと証言する。 「農民工に仕事を頼もうと朝、町に出た人は、派出所前で燃えている車を見ています。また道端に人が倒れ、死んでいるのを見た人もいます。20〜30人は死んだそうです」 ▼当日のルクチュンと見られる画像(RFA) その後の詳しい状況は連絡手段が閉ざされた為、判っていない。電話取材に応じた住民によると、町には戒厳令が敷かれ、外に一歩も出ることが出来ないという。 【礼拝帰りの若者たちを射殺した】 ルクチュンのウイグル人虐殺から2日…東トルキスタン西部のホータンで新たなウイグル人殺害事件が発覚した。ラビアさんは、この事件についても、中共大使館前で言及している。 「金曜礼拝を終えた民衆に警察が襲い掛かりました。二輪車に乗って自宅に帰る途中のウイグル人に向け、一方的に発砲し殺戮したのです」 ▼中共大使館前のラビアさん6月30日 6月28日正午過ぎ、モスクでの礼拝を終えてバイクで自宅に向っていた若いウイグル人が運転中に宗教的なスローガンを叫んだという。発言内容は不明だが、その場で3人が殺傷されたと地元住民は語る。 「驚いた警官が発砲し、少なくとも2人が死亡、1人が負傷しました」 礼拝の帰り道で殺されたことが重要だった。公安によるウイグル人射殺事件は、瞬く間にホータンの街に広がった。AP通信は、午後3時頃までに中心部の公園は興奮した住民で埋め尽くされたと伝える。 ▼肖像画強制のホータンの学校2006年(AFP) 「一般民衆は怒り出し、手にナイフを持って警察の交番10ヵ所、そして町にある売春宿11ヵ所に押し掛けたのです」 ラビアさんの説明のよるとホータンの場合は、より大規模な叛乱の様相を呈したようだ。逆に中共当局は「死傷者なし」と発表するなど事件の隠蔽に務めている。 だが、中共側の説明は矛盾している。射殺事件の翌日、ホータンに侵攻する中共武装警察のコンボイが撮影され、ネットにアップされた。大々的な鎮圧作戦が繰り広げられていることは確かだ。 ▼侵攻する武装警察部隊6月29日(大紀元) また同じ6月28日、東トルキスタンの首都ウルムチ市内でもウイグル人男性2人が発砲を受け、1人が死亡していたことが判明。射殺現場は、市内南部のウイグル人貧困層が集まるエリアだという。 「この地域は常に厳しく監視されており、当局への反発が強まっている」 ウイグル人男性は、そう語る。中共当局はこの日、武装警察駐屯地のフェンスを昇ろうとした者が逮捕されたことを発表したが、深刻な事態を矮小化し、隠そうとしてることは明らかだ。 ▼ウルムチ市内の中共部隊6月30日(AFP) ウルムチ市内の制圧に武装警察の大部隊が派遣された事実が判明したのである 【習近平のウイグル弾圧指令】 ウイグル人弾圧を支持し、虐殺を支援する東京新聞は、28日付朝刊で奇妙な写真を掲載した。共同通信が配信したもので、撮影日は6月27日、撮影場所はルクチュンとクレジットされている。 ▼ルクチュンの武装警察6月27日(共同) 前日早朝の第一報を受けて、共同通信の取材班がルクチェン入りしていたのだ。けっこうな機動力である。しかし、共同は現地発の記事を配信することはなかった。当局の規制を受け入れた可能性が高い。 「私たちを含めて、皆が検問所で止められて現地に入れない。現地政府関係者を乗せた車が一日中私たちを尾行している」 BBCの記者は、そう告発する。急遽、ルクチェンに向った海外メディアの取材班は、軒並み立ち入りを禁じられた。現場に続く幹線道路には検問所が設置され、通過は許されなかった。 ▼ルクチュンに続く道の検問所6月27日(AFP) 一方、仏AFP通信は、事件の現場エリアに派遣される中共武装警察部隊のトラックをキャッチ。兵員を満載した車両が猛スピードで追い越していく…鎮圧部隊が続々と現地入りしているのだ。 ▼武装警察の兵員輸送車6月28日(AFP) そして、ウルムチ入りした海外メディアは6月29日、市内を覆い尽くす異様な光景を目の当たりにした。大量の武装警察部隊が動員され、中心部や交通の要所に配置されていたのである。 ▼国際バザール前の中共部隊6月29日(共同) ウイグル文化を象徴する国際大バザール周辺や高架道路の出入り口…市内のいたる所に武装警察部隊が溢れている。ウルムチ全体が厳戒状態に置かれていることが判ったのだ。 やがて、市内中央の広場に完全武装の兵員が集結する。中共当局は「対テロ決起集会」などと説明するが、一般のウイグル住民を弾圧する為に増派された部隊である。単に威圧するだけではない。 ▼中心部に集結した大部隊6月29日(ロイター) 大規模弾圧の準備が整ったウルムチ。武装警察の白い装甲車両が機銃を据え付けた状態で市内各所を往来する。更に、中共政治局常務委員の兪正声が6月29日に現地入りしていた事実も判明した。 ▼市内を巡回する装甲車6月29日(AFP) 中共宣伝機関は、26日のルクチュン事件を受けて習近平が“事態収拾”の大号令を発したという。大部隊が展開するウルムチだけではなく、カシュガルなどでも武装警察の増員が確認されている。 東トルキスタン全土が非常に危険な状況に置かれたのだ。一部メディアが指摘するようなウルムチ事件4周年に向けた警戒ではない。集結した武装警察部隊は速やかに弾圧を実行する。 ▼ウルムチに集結した弾圧部隊6月29日(共同) 2009年7月のウルムチ大虐殺と比べ、今回は現地からの映像・画像の流出が殆どない。中共指導部は過去を教訓に、通信規制を強め、ほぼ封じ込めに成功している。ブラックアウトに近い状態だ。 「ウイグル人がこのような立場に追い込まれても、中国の経済発展だけを取り上げ、世界はウイグルの悲劇に目をつむっています」 ▼犠牲者追悼のブーケを捧ぐ6月30日(AFP) 中共大使館前で、ラビア・カーディルさんは万感の思い込めて訴えた。4年前、各国の政府もメディアも、ウイグル人の虐殺と弾圧に沈黙した。今回も同じように視線を逸らし、黙り込むのか… 4周年を迎える7月5日を目前に東トルキスタンの人々は、中共の恐怖支配に戦慄する日々を送っている。 〆 最後まで読んで頂き有り難うございます クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発となります ↓ 参考動画: JNN6月30日『在日ウイグル人らが中国大使館前で抗議活動』 参考記事: ■RFA6月28日『Two Uyghurs Believed Killed in Hotan Violence』 ■LAタイムス6月29日『Chinese crack down on violence in western Uighur region』 ■AFP6月30日『「テロ」が起きた新疆ウイグル自治区で大規模な軍事演習』 ■AFP6月28日『新疆ウイグル自治区で「暴徒」と警官隊が衝突、27人死亡 中国国営通信』 ■大紀元6月29日『新疆ウイグル自治区、緊張情勢が続き事件相次ぐ』 ■共同6月30日『中国、指導部メンバー新疆入り 抑え込みへ躍起』 ■東京新聞6月28日『ウイグル厳戒 死者35人に 武装警察が検問』 |
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タイトル (本文) | ブログ名/日時 |
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内 容 | ニックネーム/日時 |
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チベット・ウイグルのことは絶対にマスコミでは取り上げられません。 |
Frank 2013/07/02 06:15 |
中国の横暴さに怒りで涙が出てきます。 |
たまさん 2013/07/02 14:44 |
シナ政府による異民族抹殺は激化しこそすれ一向に収まる気配はありません。 |
風来坊 2013/07/02 14:55 |
>Frankさま |
アネモネ 2013/07/02 15:06 |
国連は世界の人権を守るっていってなかっけ。 |
woodhome 2013/07/02 17:21 |
別に日本と関係ないしどーでもいいわ。 |
名無し 2013/07/03 01:04 |
チベットウイグル問題は中国の問題。 |
名無し 2013/07/03 01:10 |
↑ |
観る者 2013/07/03 02:21 |
おまけ |
観る者 2013/07/03 02:36 |
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