レインメーカー?八重樫。金の雨を降らせることができるか=静岡県伊東市で(竹下陽二撮影)
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WBC世界フライ級王者八重樫東(30)=大橋=が2日、8月12日の初防衛戦に向けた静岡県伊東市での合宿を公開した。対戦相手のオスカル・ブランケット(28)=メキシコ=は32勝23KOの危険な強打者。八重樫は本来の持ち味であるヒット&アウェー戦法に磨きをかけるべく、砂浜での地獄ダッシュで下半身強化に取り組んでいる。
八重樫の一日は、地獄のモーニングトレから始まる。軽いウオームアップの後、宿舎前の砂浜で30メートルダッシュ6本を5セット。50メートルダッシュ6本を5セットなど、さまざまなランニングメニューを約2時間こなす。
K−1の世界王者・魔裟斗らを育てたカリスマトレーナー、土居進さんに師事して1年。その土居さんから課せられた今回の合宿の目玉が、この砂浜トレ。一撃必殺の破壊力を秘めたハードパンチャー、ブランケット対策として脚力強化、スピードアップは不可欠だからだ。
「みなさん、ボクのことを激闘型のブルファイターだと勘違いしてるかもしれませんが、もともと足を使うアウトボクサー。今回はその出入りの激しいヒット&アウェースタイルに戻す。まともに打ち合ったら、やられますから。そのための砂浜トレです」
全幅の信頼を置く土居トレーナーには「37歳までできる」と太鼓判を押されている。「37歳まで土居さんに課されるメニューがこなせるか、自信がない」と苦笑いする八重樫だが「ボクシングで稼げるだけ稼ぎたい」という。
王座奪取時の試合では「圭太郎、俺の背中を見て育て!」とリング上から小学2年の長男に呼び掛けた。夫人は現在妊娠中で、9月には3児のパパになる。初防衛戦に勝てば、次戦は年内に同級1位エドガル・ソーサ(メキシコ)との指名試合。さらに、その先には井岡一翔との再戦というビッグマッチも。闘うビッグダディはまだまだ走り続ける。 (竹下陽二)
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