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【大リーグ】

4番の代打イチロー、バント安打 メジャー1987試合目で全打順制覇

2013年7月3日 紙面から

◇ヤンキース10−4ツインズ

 【ミネアポリス穐村賢】ヤンキースのイチロー外野手(39)が小技と足で連敗中のチームを救った。1日(日本時間2日)、敵地でのツインズ戦で8回無死二塁の好機に4番ウェルズの代打で登場。投前バント安打を決めると、盗塁を警戒する相手投手のけん制ミスも誘って逆転勝ちに貢献。連敗を5で止めるキープレーとなった。これでメジャーで全打順を“制覇”し、ジラルディ監督にも通算600勝をプレゼント。どんな打順でも“らしさ”を貫くベテランが、ア東地区4位と苦戦する名門をけん引する。

 がらりと流れを変えた。1点を追う8回無死二塁。代打で登場したイチローが初球を三塁寄りに転がした。意表を突かれた投手バートンの一塁送球がそれて内野安打となり、一、三塁に。さらに次打者ハーフナーの場面ではけん制悪送球を誘って三塁に進み、6番アルモンテの左前打で勝ち越しのホームを踏んだ。出場からわずか5球の逆転劇だった。

 「(バントが)結果的にいい形になった。(三塁への走塁は)トムソン(三塁コーチ)の判断が良かった。勇気のいるコールですね」。チームはこの後、9回にも4点を加えて快勝。連敗を今季最長タイの5で止めるカギとなったプレーを、イチローは淡々と振り返った。

 代打で呼ばれたのは4番ウェルズの場面。この日、主砲は2安打と当たっていたが、確実に走者を進めるためにベンチが指名したのが技と速さを併せ持つイチローだった。メジャー1987試合目にして初の4番だったが、「1点を取るために」と迷わずバントを選び、自身も生き残る術を発揮。これで“全打順制覇”となったが、4番でもスタイルを貫いてジラルディ監督に通算600勝をプレゼントした。

 「きょうはイチローがスピードで相手にプレッシャーをかけ、流れを変えてくれた」。途中出場ながら持ち味を生かしたベテランに、指揮官も最敬礼。10月でイチローも40歳。だが、昔と変わらぬプレースタイルを披露する背番号31は「(変わる人は)変わらなきゃしょうがないということでしょう。でもそれは僕には分からない。何かが変わったというわけではないのでね」とニヤリ。「技術的なことで自信がないものはない」と強い自負をにじませる。

 チームはいまだ地区4位と苦戦中。だが、シーズンはまだ折り返し地点。どの打順でも、どんな場面でも変わらぬ39歳が、名門逆襲の大きな力となる。

 

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