7月2日の米国マーケットサマリー:円下落、一時対ドル100円73銭
7月2日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)
為替 スポット価格 前営業日 ユーロ/ドル 1.2975 1.3064 ドル/円 100.64 99.66 ユーロ/円 130.59 130.19 株 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率 ダウ工業株30種 14,932.41 -42.55 -.3% S&P500種 1,614.07 -.89 -.1% ナスダック総合指数 3,433.40 -1.09 .0% 債券 直近利回り 前営業日比 米国債2年物 .35% .00 米国債10年物 2.47% -.01 米国債30年物 3.48% +.00 商品 (中心限月) 終値 前営業日比 変化率 COMEX金 (ドル/オンス) 1,243.40 -12.30 -.98% 原油先物 (ドル/バレル) 99.39 +1.40 +1.43%◎NY外国為替市場
ニューヨーク外国為替市場では円がドルにして下落。ほぼ1カ月ぶりに1ドル=100円台まで円安が進んだ。米金融当局が緩和を縮小させる一方、日本銀行は積極的緩和を継続するとの観測を背景にドルの需要が高まった。
ユーロ圏では5月の生産者物価指数が前年比横ばい予想に反し低下し、ユーロもドルに対して下落。4週間ぶり安値に接近した。ドルは主要通貨の大半に対して値上がり。製造業受注額が市場予想を上回る伸びとなったことで、金融当局が債券購入の縮小を開始できるだけのペースで経済が回復しているとの見方が強まった。オーストラリア・ドルは値下がり。豪準備銀行(中央銀行)が一段の下落の可能性に言及したことが手掛かり。
コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリスト、オマー・エシナー氏(ワシントン在住)は電話取材に対して、「前向きな米経済指標が続けば、最終的に量的緩和縮小をもたらし、ドル高・円安へと自然につながっていく」と述べた。
ニューヨーク時間午後2時29分現在、円は対ドルで1ドル=100円51銭。一時1.1%安の100円73銭と、5月31日以来の円安・ドル高水準となった。
ユーロは対ドルで0.5%安の1ユーロ=1.2996ドル。一時1.2990ドルを付けた。6月26日には1.2985ドルと、同月3日以来の安値に下げた。対円では0.3%上げて1ユーロ=130円61銭。一時131円12銭と、6月11日以来の高値となった。
◎米国株式市場2日の米国株 は下落。一時の上げを消した。投資家は今週発表される6月の米雇用統計や企業の決算発表シーズンを控えて慎重になっている。
ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種 株価指数は前日比0.9ポイント(0.1%未満)下落して1614.08。ダウ工業株30種平均は42.55ドル(0.3%)下げて14932.41ドル。
ファースト・ソース・インベストメント・アドバイザーズのジェイソン・クーパー氏は、「市場参加者は支えとなる材料を模索している」と述べ、「少なくとも景気がまずまずで、労働者も仕事を得ていることを投資家が確信するには、もう少し経済統計を見極めるる必要がある」と述べた。
朝方に発表された製造業受注統計が予想を上回ったほか、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が当局は必要に応じて債券購入を継続する可能性があるとあらためて示したことが手がかりとなり、米国株は一時上昇していた場面もあった。
◎米国債市場米国債相場は小動き。取引レンジはここ2カ月で最小となった。ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、米経済成長が2014年に加速する公算は大きく、債券購入プログラム縮小の正当性を示すことになる可能性があるとの見解を示した。
10年債利回りは1週間ぶりの低水準近辺で推移した。同総裁はコネティカット州スタンフォードで講演し、景気が予想より弱ければ、金融緩和を恐らく続けるとの考えもあらためて示した。JPモルガン・チェースの調査では米国債相場が下落するとの見方が後退した。労働省が5日に発表する雇用統計は16万5000人増が予想されている。
CRTキャピタル・グループの国債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「全ての関心は5日の雇用統計に集まっている。米金融当局者は引き続き労働市場の重要性を指摘している。量的緩和の縮小は利上げではない。フェデラルファンド(FF)金利誘導目標の引き上げは2015年か16年になる」と述べた。
ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後3時28分現在、10年債利回り は前日比1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げて2.46%。一時は2.45%まで低下した。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は3/32上昇の93 3/4。利回りのレンジは4.46bpと、5月9日以降で最小となった。
◎NY金先物市場ニューヨーク金先物相場は3営業日ぶりに下落。米経済指標の改善を背景に当局による緩和策のペース減速が正当化されるとの見方が強まった。ドルの上昇も代替投資としての金買いの後退につながった。
米商務省が発表した5月の製造業受注額は前月比で増加した。金先物は第2四半期(4-6月)に23%下落し、少なくとも1975年以来の大幅安となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が年内に債券購入プログラムを縮小する可能性があると述べたことが背景にある。ドルはこの日、主要6通貨のバスケットに対して一時0.5%値上がりした。
RJオブライアン・アンド・アソシエーツ(シカゴ)のシニア商品ブローカー、フィル・ストライブル氏は電話インタビューで、「市場は金融当局の動きに神経質になっており、一段の明確さを望んでいる」と指摘。「ドルの上昇も金にとって引き続き悪材料となっている」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前日比1%安の1オンス=1243.40ドルで終了。一時は0.9%上昇する場面もあった。
◎NY原油先物ニューヨーク原油先物相場は続伸。エジプトの政情不安で供給障害が起きる可能性が懸念され、バレル当たり100ドルに接近した。米在庫が減少したとの見方も、原油の買いを促した。原油市場は1年4カ月ぶりの大商いとなった。
エジプトではモルシ大統領の退陣を求めて数十万人が集結し、緊張が高まっている。原油輸送の要所であるスエズ運河はエジプトが管理している。ブルームバーグがまとめた調査によると、米エネルギー情報局(EIA)が3日に発表する先週の原油在庫は5月31日以来の水準への減少が予想されている。
ショーク・グループ(ペンシルベニア州ビラノバ)のスティーブン・ショーク社長は「スエズ運河の輸送について純然たる不安が浮上している」と指摘。「ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)はこうした地政学的懸念を代弁する」と述べた。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前日比1.61ドル(1.64%)高の1バレル=99.60ドルで終了。終値ベースで2012年5月3日以来の高値。
更新日時: 2013/07/03 05:41 JST