味園ビル:大阪・ミナミの不夜城再び 賃料下がり起業続々、若者文化の拠点に

2013年06月30日

 「みその……、みその……」のCMのフレーズで知られた大阪・ミナミの複合レジャービル「味園ビル」が若者文化の拠点に生まれ変わろうとしている。不況で一時は大半のテナントが去った。しかし、大幅に賃料を下げたことで、バーやギャラリーが集積した。手ごろな賃料と個性的なレトロビルに魅せられた若者らが不夜城を復活させた。【千脇康平】

 ミナミの繁華街、千日前の味園ビル。古びた茶色の外観は夜、派手なネオンで彩られ、怪しげな雰囲気を醸し出すが、多くの若者が出入りする。

 ビル2階のゲームバー「Dendo」は2011年秋にオープンした。往年の家庭用テレビゲーム機などで遊べる。店内はカウンターにゲーム機と小型テレビ。ゲームソフトは約800本。若者から中年までの客が酒を飲みながらゲームに興じる。

 脱サラして開業した山下克茂さん(40)は「ビルの雰囲気と家賃が魅力だった。入居まで1年待った」。

 今月22日にオープンした「Bar High Jinks」。新調したきれいな店内で、若者同士の会話が弾む。オーナーの島田陽平さん(31)は「家賃が安いから開店できた」。

 ビルの運営会社「味園」によると、約10年前、2階の賃料を半額以下の一律月8万円に下げ、敷金、礼金もない「ゼロゼロ物件」に。すると、若い人たちが入居を求めるようになったという。

 所狭しと香港映画のポスターや置物を飾る2階のバー「深夜喫茶 銭ゲバ」。経営者の男性(39)によると、味園ビルは家賃が安く、若い人の起業の登竜門の場にもなっているという。

 カラオケ店跡の1階のテナント賃料は月4万円。アート作品を扱うギャラリーやレコード店で埋まり、個性的な作品などを求める若者らが集う。キャバレー「ユニバース」が11年3月に閉店した地下もライブハウスになり、にぎわいをみせる。

 味園によると、テナントスペースは1階が約10、2階が42。広さは約10〜30平方メートルで、すべて埋まる。約10組が入居待ちの状態だ。

 しかし、バブル崩壊後、不況で危機的状況だったという。2階はスナックなど中高年向けが中心だったが、閉店や移転で次々と空きスペースができた。一時は2軒だけとなり、「シャッター通り」のようになった。賃料の引き下げで生まれ変わったという。

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