◇全米女子OP<最終日>
▽6月30日、米ニューヨーク州サウサンプトン・セボナックGC(6821ヤード、パー72)▽賞金総額325万ドル、優勝58万5000ドル▽曇り、気温25度、強風▽68人(アマ6人)
【サウサンプトン(米ニューヨーク州)テッド・ムース】韓国の朴仁妃(パク・インビ、24)が74で回って首位を守り、通算8アンダーで5年ぶり2度目の優勝。女子ではパット・ブラドリー(米国)が1985年から86年にかけて達成して以来のメジャー3連勝を果たした。
メジャー通算4勝目、今季米ツアーは3戦連続の6勝目。韓国勢の優勝は3年連続で、今大会も3位までを独占。また、アジア勢はメジャー10連勝となった。
宮里藍(28)=サントリー=は74とスコアを落とし通算4オーバーで11位。宮里美香(23)=NTTぷらら=は75で10オーバーの31位、上原彩子(29)=モスフードサービス=は76で11オーバーの36位だった。
◆ぶっちぎり!!
「史上最強」の呼び声さえ大げさではない朴仁妃の独り舞台だった。前半はプレッシャーで寄せやパットにミスが出たが、9番パー4で1・2メートルの下りのラインを沈めてこの日初めてのバーディーを奪うと、10番でも5メートルをズバリ。この時点で事実上、2位以下の選手たちを戦意喪失に追い込んだ。
選手層の厚い現在の米女子ツアーで、メジャー3連勝は至難の業と思われた。だが、最終的には2位に4打差をつける圧勝。控えめな性格だが、18番で短いウイニングパットを決め、同じ韓国の仲間たちからグリーン上でシャンパンを浴びせられると、「夢じゃないと願う。あしたは起きたくない」と喜びを表した。
圧倒的な飛距離を誇るわけではない。今大会のドライビングディスタンス240・1ヤードは、予選通過68人中32位、フェアウエーのキープ率は17位と平凡だ。だが、ピンに近くなるほど本領を発揮するタイプで、うねりの強いグリーンが多い今大会のパット数は2位だった。クロスハンドの握り方は、父に導かれてゴルフを始めた10歳から変えず、自らの感覚を最優先しているという。米国の大学で過ごし、本場の芝に慣れているのも強みだ。
以前は極度のあがり症だったが、婚約者や、この日応援に来てくれた両親の支えで乗り越えた。全英リコー女子オープン(8月1〜4日)ではメジャー4連勝がかかる。「そのことは言わないで。プレッシャーがかかるから。今はこの勝利を楽しみたい」。最後は再び控えめな24歳に戻っていた。
この記事を印刷する