(cache) 国債のリオープンについて

2013-06-18

国債のリオープンについて

以前、新人から「蓮見さん、リオープンって何ですか？」という質問を受けました。googleで検索して調べてと指示したのですが、いまいち、わからなかった模様。実際にgoogleで検索してみたけど、なかなか良い解説はないですね。。JGBの制度は驚くほどよくできているのですが、文献で調べるとよくわからなかったりします。

東証におけるリオープンの説明は下記のとおり。

国債のリオープン方式とは、国債の発行に際して、既発債と同一のクーポン及び元利払期日を設定し、同一の回号を付すことにより、発行時からその国債を既発債と同一銘柄として取り扱うもので、平成13年3月から採用されています。この方式による発行の場合、後から発行される国債の最初の利払日には半年分の利子が支払われますが、実際の発行日から利払日までの期間は半年に満たないため、発行時の取得者が利払日の半年前から実際の発行日までの期間（未発行期間）の利子相当額を、経過利子として国に払い込みます。

一方、平成13年2月以前に発行された国債については、発行に際して既発債と同一のクーポン及び元利払期日を設定し、同一の回号を付す場合でも、初期利子が実際の発行
日から利払日までの期間に応じた額となっていました。このため、後から発行される国債の最初の利払日までは、回号に発行月の枝番号を付して既発債とは別銘柄として取り扱い、その国債の最初の利払日に既発債に統合する方式（銘柄統合方式）が採用されていました。

大部分の国債は毎月入札があって、その度市場金利を反映し、新しいクーポンがつくわけです。しかし、毎月違うクーポンの国債が出てくると、いわば違う債券が市場に出回ってくることになってしまいます。一方、もし同じ条件の債券が出てくるとすれば、同じ債券が増えることになりますから、取引量が増える（流動性が増加する）可能性がありますよね？すなわち、流動性を高めるため、似たような条件なら今月も同じ債券を発行してしまいましょう、というのがリオープンです。

現在の国債は、5年、10年、20年は3月、6月、9月、12月に償還を迎えます（これを償還月といいます）。つまり、国債の償還は年4回むかえるわけでして、たとえば、4月に10年債が発行されても、6月に償還を迎えることになります。財務省はこのような仕組みをとることで償還にかかる実務上の手間を省いているわけですが、一方で国債は毎月発行されるわけです。ですから、償還月まで、という範囲で利上に大きな変化がなければ、新しく発行される国債の利回りを据え置きとし、同じ発行（つまり、リオープン）にしましょう、という仕組みにしているわけです。これによって、国債の流動性が高まるのであれば（すなわち利回りを安定化されるなら）、市場参加者やMOFにとって都合がよいわけですね。なかなかどうして上手い仕組みでしょ？

ちなみに、現在、国債流動性の確保のため、10年国債について原則リオープンにして、発行価格を調整しましょう、という議論がでています。詳細は本日の久保田さんのメルマガのコラムに記載がありますので、そちらをご参照いただければとおもいます。

（補充・不正確な点がありましたらコメント欄によろしくお願いします。修正して、債券市場の新人向けのコラムにします）

Permalink | コメント(0) | トラックバック(0) | 22:12

トラックバック - http://d.hatena.ne.jp/yuichi-hasumi/20130618/1371561148

リンク元

		2013/06
日	月	火	水	木	金	土
						1
2	3	4	5	6	7	8
9	10	11	12	13	14	15
16	17	18	19	20	21	22
23	24	25	26	27	28	29
30

勉強日記

2013-06-18

国債のリオープンについて