中国には何世紀にもわたって、人々が北京にやって来て皇帝に直接苦情を訴えるという制度があった。
しかし、中国は1日、北京まで行く気がない人たちのためにオンライン陳情制度を始めた。国営メディアによると、中国当局者は、オンライン陳情制度について、手続きが容易で陳情がどうなっているのか追跡することもできると述べていた。
しかし、進歩は不十分だったようで、サイトは初日にダウンしてしまった。同日午後には復旧したが、朝方の不具合を受けて、ツイッターに似たマイクロブログの新浪微博(シナウェイボー)などのソーシャルメディアでは嘲笑の言葉があふれた。4600万人以上のフォロワーがいるイノベーション・ワークスの李開復・最高経営責任者(CEO)は「ウェイボーを通じて知った人たちが陳情サイトに押し寄せた」と述べている。
多くのウェイボー・ユーザーは、潜在的な陳情者の数から見て、ダウンすることは予想されていたとしている。一部の人は、初日のトラフィックを処理しきれないサーバーを政府が使ったことは不誠実さの表れだと見ている。
陳情は、不正行為に直面した人が都に行ってその苦情を直接皇帝に訴えるという古い制度の現代版だ。国家信訪局(SBLC)が陳情の申立人と中央政府の仲立ちをしている。同局は以前から効率性の悪さで批判されてきた。一方で地方当局者はしばしば、北京から批判されるのを避けるため、陳情者が北京に行かないように働きかけている。これらの当局者はごろつきを雇って陳情者を脅したり、裏監獄と呼ばれる非公式監獄に閉じ込めたりすることもしばしばだ。
中国の多くのインターネットユーザーは、オンライン陳情制度について、人が出かけて行うものと同様に限界があり、不正利用の抜け道があると主張する。陳情者は、国民番号など証明済みの個人情報とともに登録しなければならないことから、報復を受ける恐れがあるのだ。加えてサイトはインターネットエクスプローラーでしか機能せず、アップロードできる情報量は1件につき2メガバイトだけだ。あるウェイボー・ユーザーは「地方当局者が申し立てを抑圧し、報復するのは簡単ではないか」と書いている。
一部の人はこの新システムについて、米ホワイトハウスの陳情サイト「We the People」の貧弱なまねごとだと見ている。eメールアドレスだけで登録できる同サイトは最近、自国政府の反応の鈍さを冷笑したがっている中国のネットユーザーからの陳情の洪水に見舞われた。
SBLCのトップは中国国営新華社通信とのインタビューで、同システムを通じて行われた陳情は全て回答を得ると語った。一方で共産党機関紙の人民日報は社説で、このサービスは地方当局者が陳情者を北京に行かせない言い訳になるのではないかとしている。同紙はまた、SBLCは苦情を地方当局者に回すだけで、それ以上の説明責任を取らないことになるのではないかと懸念している。
当ブログ「チャイナ・リアル・タイム」はSBLCのサイトに掲載されている電話番号にかけてみたが、聞こえてきたのはこの番号は存在しないというテープ案内の声だけだった。これは中国当局の反応の鈍さのよろしくない兆候のようだ。
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