【見市紀世子】厚生年金と国民年金の積立金の運用で、2012年度に11兆2222億円の利益が出て、利回りは10・23%に達した。いずれも、公的年金の資産運用が独立した形で始まった01年度以降で最高。アベノミクスの金融緩和で急激な株価上昇と円安が昨年末から進み、運用益を押し上げた。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が2日、発表した。運用資産別の利回りは、外国株式が28・91%▽国内株式が23・40%▽外国債券が18・30%▽国内債券が3・68%などで、すべての資産でプラス。四半期ごとで見ると、今年1〜3月に約7・6兆円の運用益を稼ぎ出した。
12年度に年金の支払いに充てるために積立金を取り崩した額は約4・3兆円。今年3月末時点の運用資産は総額120兆4653億円で、1年前より7兆円近く増えた。これにより、積立金が計画を下回っていた状態は解消されるという。
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朝日新聞官邸クラブ