来年春に開業する高さ300メートルと日本一の超高層ビル「あべのハルカス」(大阪市阿倍野区)で13日、近鉄百貨店の「あべのハルカス近鉄本店」が部分開業した。大阪市内の百貨店による開業・増床競争はこれで一段落し、「大阪百貨店戦争」は“最終幕”を迎える。だが、オーバーストア(店舗過剰)は避けられず、生き残りをかけた熾烈(しれつ)な顧客争奪戦が繰り広げられそうだ。
■全館開業は9カ月後
近鉄新本店前には早朝から約100人の列ができたため、開店時刻を予定より50分繰り上げて、午前9時10分にオープンした。
この日開業したのは、「タワー館」(地下2階~地上14階)5万7千平方メートルと、旧阿倍野本店の「ウイング館」(地下2階~地上9階)4万3千平方メートルの一部。ウイング館は来年春までにすべてが改装オープンし、全面開業後の売り場面積は10万平方メートルと国内最大の百貨店となる。
阿倍野・天王寺地区は、JRと地下鉄、近畿日本鉄道、阪堺電気軌道の5駅7路線が集まり、1日の乗降客は73万人。梅田、難波に次ぐ巨大ターミナルだが、再開発が遅れていた。