Updated: Tokyo  2013/07/02 18:55  |  New York  2013/07/02 05:55  |  London  2013/07/02 10:55
 

日銀が「緩やかに回復」に上方修正を検討、2年半ぶり-来週会合 (1)

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  7月2日(ブルームバーグ):日本銀行は10、11の両日開く金融政策決定会合で、景気判断を前月の「持ち直している」からもう一段引き上げ、「緩やかに回復」という表現を使うことを検討する。判断を上方修正すれば7カ月連続で、「回復」という表現が復活するのは2011年1月以来2年半ぶりとなる。関係者への取材で明らかになった。

日銀が1日発表した企業短期経済観測調査(短観、6月調査)は、円安進行に伴う輸出採算の好転や、生産の持ち直しなどを背景に、大企業・製造業の業況判断指数(DI)がプラス4と3月の前回調査から12ポイント改善し、1年9カ月ぶりにプラスとなった。

関係者によると、今回の短観で日銀が注目していたのは、マインドの改善が設備投資など実体経済に波及していくのかどうか。13年度の大企業・全産業の設備投資計画が前年度比5.5%増と、前回調査(同2.0%減)から上方修正されたことなどを受けて、日銀は実体経済の改善が着実に進みつつあるとの認識を深めている。

日銀が2年半ぶりの「回復」判断に踏み切れば、7月21日に控える参院選を前に、安倍政権にとっても追い風となる。JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは「最近の経済指標が日本経済の堅調さを示していることを考えると、日銀が景気判断を一歩前進させることに全く違和感がない」と指摘。黒田東彦総裁は「自らの政策に自信を深めているはずだ」と語った。

展望リポートの中間評価も  

日銀が前回、「回復」という表現を使ったのは、08年のリーマンショックからの回復局面にあった10年5月で、前月の「持ち直しを続けている」から「緩やかに回復しつつある」に判断を引き上げた。しかし、その後、海外経済の減速などを受けて、翌11年1月に「緩やかに回復しつつあるものの、改善の動きに一服感がみられる」としたのを最後に、「回復」という表現は使われていなかった。

10、11日の決定会合では、4月末に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」の中間評価も行う。同リポートでは「日本経済は、本年央ころには緩やかな回復経路に復していくとみられる」としており、見通し通りに経済が推移しているかどうかを精査する。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 日高正裕 mhidaka@bloomberg.net;東京 藤岡 徹 tfujioka1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Paul Panckhurst ppanckhurst@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net

更新日時: 2013/07/02 17:27 JST

 
 
 
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