中国を公式訪問している韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は28日、習近平国家主席と当初の予定にはなかった昼食を共にした。昼食は2時間に及び、前日の首脳会談、夕食会を含め、両首脳は7時間半の時間を共にしたことになる。
両首脳は朴大統領が宿泊している北京の釣魚台迎賓館の「養源斎」で昼食を取った。養源斎は清の皇帝の行宮(あんぐう=仮の宮殿)として建てられた施設で、主に中国の首相が外国首脳を接待するのに使われている。人民大会堂で要人と会う国家主席が朴大統領の宿泊先である養源斎を訪ねたのは異例のことだ。朴大統領は2008年に就任を控えた李明博(イ・ミョンバク)大統領の特使として訪中した際、当時の唐家セン国務委員(外交担当、センは王へんに旋)と養源斎で夕食を共にしたことがある。
朴大統領は習主席に対し、独立運動家の安重根(アン・ジュングン)が1909年に伊藤博文を暗殺したハルビン駅に石製の記念表示を設置することに加え、歴史研究に関連し、中国の政府記録保存所に残された記録の閲覧に協力を求めた。朴大統領は「安重根義士は韓中両国の人々が共に尊敬する歴史的人物だ」と述べた。これに対し、習主席は「関係機関に検討を指示する」と答えた。中国側は明確な回答を避けたが、ハルビン駅に安重根の記念表示が設置されれば、今回の訪中のもう一つの成果となる。
習主席は昨年、中国で開かれた韓中国交正常化20周年記念レセプションに出席したことを振り返り「とても出席できる状況ではなかったが、中韓関係を重視し、無理を押して出席した」と述べた。
朴大統領は同日午前、韓中ビジネスフォーラムで演説し、中国語で「先做朋友 後做生意(商売をするなら、先に友人になれ)」という中国の慣用句を紹介したことに触れた。これに対し、習主席は「朴大統領が中国語を使ったことは、必ずや中国の企業関係者に深い感銘を与えたはずだ」と応じた。