2社連合で目下、製品化が見えているのはGSKが開発してきた帯状疱疹ワクチン、肺炎球菌ワクチン。第一三共が他社と開発中の4種混合ワクチンも新会社が手がける可能性が高い。もちろん次なる混合ワクチンも新会社で開発していくことになる。
政策は追い風
競争は激化
市場環境は追い風が吹いている。厚生労働省は5月の予防接種部会で任意接種である七つのワクチンについて定期接種化を求める提言をまとめた。中でもヒ ブ、小児用肺炎球菌、子宮頸がんの三つは定期接種化を優先したい考えで、今国会に予防接種法改正案を提出して13年度からの定期接種化を目指している。定 期接種化のための財源確保は難題だが、実現すれば接種率の向上が望める。また定期接種の種類が増えれば混合ワクチンも開発しやすくなる。
一方で競争は厳しさを増すはずだ。下の図のように、国内ワクチンメーカーは中小規模ばかりで、国内製薬大手はこれら中小と販売提携して各社年間200億円程度を稼いでいるが、今後はオールマイティな開発力を手にしたジャパンワクチンに市場を奪われかねない。世界大手勢も巻き込んで早晩、別の連合体も登場するだろう。
追われるジャパンワクチンは、先行する優位性を最大限に発揮するために新規や混合のワクチンを数多く、かつ早く市場に送り込むことを徹底的に追求しなければならない。もっともそれは彼らが連合を組んだ目的そのものでもある。