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∞ 自民、農政連に猛反発 石破幹事長「大沼氏推薦を」
参院選山形選挙区でJAの政治団体・県農協政治連盟(高谷尚市会長)がみどりの風の舟山康江氏(47)を推薦したことに、自民党が猛反発している。石破茂幹事長が直々に党公認の大沼瑞穂氏(34)への推薦を迫るなど揺さぶりをかけたが、県農政連は「組織決定を覆すことはあり得ない」と舟山氏支援の立場を貫いている。
「大沼氏を推薦してもらえないか」
県農政連がすでに舟山氏への推薦を内定していた5月下旬、幹部のもとへ直接電話が入った。電話の主は「イシバ・シゲル」。自民党の幹事長からだった。
党幹事長が直接、推薦の要請に動くのは極めて異例だが、県農政連は舟山氏推薦の方針を変えなかった。一気に反発を強めた自民党は5月末以降、農業団体の切り崩しに躍起になった。
党TPP対策委員長の西川公也衆院議員ら、農水族議員を相次ぎ投入。「交渉で聖域は絶対に守る」「農業の将来には海外への販路開拓が必要だ」と訴えた。6月22日には林芳正農林水産相も送り込み、県内農家らに党の農業政策を熱弁して回った。
党のベテラン県議は「農水相が一日中県内を行脚するなどめったにないこと。それだけ党本部の注目が集まっている」と解説する。
こうした党の切り崩しについて党県連の遠藤利明会長は「個別の農協組合長からは前向きな言葉をもらっている」と手応えを示す。
一方、今後の対応には含みを持たせる。「自民党として山形の農業は守っていく。しかし、県農政連がこのままの対応を続けるなら、参院選後に農協から組織的な陳情を受けるのは難しいだろう」。県農政連への不快感をにじませた。
◇ 「TPP反対」徹底抗戦 JA
「TPPの問題点や6次産業化の重要性を理解し、論理的に説明できるのは今の国会で舟山さんのほかにいない」
JA山形中央会の長沢豊会長は21日、地元の山形市本沢地区であった舟山氏の国政報告会でこう力説し、「アベノミクスというが、我々は実感できていない」と踏み込んだ。
JA幹部の舟山氏に対する信頼がすこぶる厚いのには理由がある。
農水省出身で民主党政権では農水政務官として戸別所得補償制度を創設。TPPを「究極の市場原理主義」と断じ、民主党を離党するまでに至った。舟山氏の後援会長にも就任したJA山形中央会の今田正夫・前会長は「TPP反対の全国集会で舟山先生は中心にいた。世話になっている我々が応援するのは当たり前」と言い切る。
農政連は昨年の衆院選2区で、TPP断固反対を掲げた自民新顔への投票を呼びかけた。「それが裏切られた」とJA幹部は話す。
自民党の反発について別の幹部は「山形の推薦決定が他県より早かっただけに、自民候補を推すかどうかで揺れていた他県の農政連への影響を自民党本部は恐れたのだろう」と分析。「自民党が切り崩しを図るなら、我々も徹底してやる。自民党が『粛正』をちらつかせれば、逆に農家は離れる」と、自民党をけんせいする。
県農政連の推薦決定後、県内のJAは舟山氏を講師に「TPP学習会」を各地で開くなど強力な支援を展開している。
ただ、県農政連には自民党員もおり、比例では自民党の組織内候補者を推している。さらに、JA幹部は「衆院選で敵対した民主党の衆院議員が表に出てくれば我々の動きは止まる」。自民党の切り崩しの影響もある。
参院選にはほかに、共産党の太田俊男氏(59)、幸福実現党の城取良太氏(36)が立候補を表明している。(遠藤隆史、西尾邦明)
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