Updated: Tokyo  2013/07/02 07:55  |  New York  2013/07/01 18:55  |  London  2013/07/01 23:55
 

7月1日の米国マーケットサマリー:円が下落、日銀短観など統計受け

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  7月1日(ブルームバーグ):ニューヨークの為替・株式・債券・商品相場は次の通り。(表はNY午後4時現在)


為替         スポット価格 前営業日
ユーロ/ドル        1.3062   1.3010
ドル/円             99.64    99.14
ユーロ/円          130.15   128.97


株                 終値 (暫定値) 前営業日比 変化率
ダウ工業株30種       14,974.96     +65.36     +.4%
S&P500種           1,614.97      +8.69     +.5%
ナスダック総合指数    3,434.49     +31.24     +.9%


債券          直近利回り 前営業日比
米国債2年物      .35%        .00
米国債10年物     2.47%       -.01
米国債30年物     3.47%       -.02


商品 (中心限月)                     終値   前営業日比 変化率
COMEX金     (ドル/オンス)  1,255.70    +32.00   +2.62%
原油先物         (ドル/バレル)   97.95     +1.39    +1.44%

◎NY外国為替市場

ニューヨーク外国為替市場では円がドルに対し3週間ぶり安値に下落。日本銀行の企業短期経済観測調査(短観、6月調査)で大企業・製造業の景況感改善が示され、安全需要が後退した。

円は主要16通貨全てに対して値下がり。日本株の上昇も手掛かりに円は売られた。ドルは一時、対円での上げを拡大する場面があった。米製造業景況指数が予想を上回る伸びとなったことを受けた。ユーロは上昇。域内の製造業景気指数が市場予想を上回ったことに反応した。

ファロス・トレーディング(コネティカット州スタンフォード)の調査責任者、ダン・ドロー氏は電話取材で、「短観は全般的に非常に力強い内容だった」とし、「このところの改善基調を示す指標がまた一つ増えた格好で、日本の成長にとってプラスのニュースだ。ここ数週間、円は日本経済に関する前向きなニュースに沿う形で下落している」と続けた。

ニューヨーク時間午後2時34分現在、円は前週末比0.5%安の1ドル=99円61銭。一時99円86銭と、日中ベースで6月5日以来の円安・ドル高水準を付けた。対ユーロでは0.9%値下がりし130円07銭。一時130円25銭と、6月11日以来の安値を付けた。ユーロは対ドルで0.4%上昇し1ユーロ=1.3056ドル。

◎米国株式市場

1日の米国株 は上昇。日本や米国の統計で製造業の改善が示されたことから、世界経済への信頼感が高まった。

ニューヨーク時間午後4時過ぎの暫定値では、S&P500種株価指数は前営業日比8.68ポイント(0.5%)上昇して1614.96。ダウ工業株30種平均は65.36ドル(0.4%)上げて14974.96ドル。

ルーズベルト・インベストメント・グループでシニアポートフォリオマネジャーのジョン・ロスコー氏は、「今は明るいニュースが市場で前向きに受け止められる状況だ」と述べ、「金利がいずれ上昇するという事実は株式市場では織り込み済みだ」と続けた。

S&P500種は今年上半期で13%上昇した。これは1998年上半期に17%上昇して以来で最大の上げ。

◎米国債市場

米国債相場は小動き。取引レンジはここ2週間弱で最小となった。米供給管理協会(ISM)の製造業景況指数が拡大した一方、雇用指数はほぼ4年ぶりの低水準となった。

10年債利回りは上昇する場面もあったが、ISM雇用指数を受けて上昇分を削った。同指数は48.7(前月は50.1)と、2009年9月来の水準に落ち込んだ。バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによると、米国債の上半期のリターンはマイナス2.5%と、2009年上半期以来の大幅なマイナスだった。5日発表の雇用統計では非農業部門雇用者数は前月比16万5000人増が予想されている。

RBCキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、トム・ポーセリ氏(ニューヨーク在勤)は「現在はリスク回避傾向が強い。ISM指数全体を見てみると、雇用指数が低下するなど強弱まちまちの内容と言える」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後2時29分現在、10年債利回り は前営業日比ほぼ変わらずの2.49%。一時は6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇した。同年債(表面利率1.75%、2023年5月償還)価格は93 1/2。利回りの取引レンジは7.8bpと、6月18日以降で最小となった。

◎NY金先物市場

ニューヨーク金先物相場は続伸。9週間ぶりの大幅高となった。第2四半期(4-6月)に四半期ベースで過去最大の下げ幅を記録したことを背景に、コインや延べ棒、宝飾品の需要が持ち直した。

金直物は第2四半期に23%下落し、少なくとも1920年以来の大幅安となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長が年内に債券購入プログラムを縮小する可能性があると述べたことが背景にある。TDセキュリティーズのマネジングディレクター、ティム・ガーディナー氏によれば、中国では金のプレミアムがオンス当り36ドルに上昇し、4月以来の高水準となっている。

マレックス・ノース・アメリカのブローカー、カルロス・ペレサンタラ氏は電話インタビューで、「アジア諸国での現物需要は引き続き力強い」と指摘。「米金融当局の緩和策と縮小開始時期に焦点が絞られていたが、その傾向は弱まり始めている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物8月限は前週末比2.6%高の1オンス=1255.70ドルで終了。中心限月としては4月25日以来の大幅上昇となった。

◎NY原油先物

ニューヨーク原油先物相場は反発。経済成長の兆候を好感し、過去6営業日中で5日目の上げ相場となった。エジプトの反政府デモ拡大への懸念も影響した。

米供給管理協会(ISM)が発表した6月の製造業総合景況指数は前月比で上昇。ユーロ圏の6月の製造業活動は当初の見積もりよりも小幅な縮小となった。エジプト軍はすべての政治勢力に対し48時間以内に危機解決策を見いだし、国民の要求に応えるように最後通告を出した。

プライス・フューチャーズ・グループ(シカゴ)のシニアマーケットアナリスト、フィル・フリン氏は「米経済に成長の兆しが見えており、原油の需要にとっては朗報だ」と指摘。「欧州からの強い数字が出てきた。エジプトの反政府デモは原油供給への不安を高めている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物8月限は前週末比1.43ドル(1.48%)高の1バレル=97.99ドルで終了。終値ベースでは6月19日以来の高値。

更新日時: 2013/07/02 05:43 JST

 
 
 
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