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カルマの坂
作者:白百合 結
この小説はポルノグラフィティの歌「カルマの坂」を小説にしてみたものです。ほぼパクリ、最後に希望的観測がついています。
少年は孤独だった。両親はいない。兄弟もいない。名前すらない。ただ一人、この乱れた世の中で暮らしていた。しかし捨てられた少年が一人で合法的に生きるにはこの世界は少し乱れすぎていた。彼は物心ついたときから盗みを働き、必死で今日を生きていた。彼の足は速く、自分の利益しか考えていない大人などには到底追い付けない。それゆえに彼は風とよばれ忌み嫌われていた。

今日もまた俺を追いかけるやつらの怒声が聞こえる。そんなのはいつものことだ。この地獄すら尻尾まいて逃げ出すような世界では生きるためにこれしかない。恨むならこの世界を恨むんだな。そんなことを思っていたらいつの間にか裏路地に入っていて店主は諦めたようだ。人の腐った匂いと死に似た静けさが俺を包み込む。別に気持ち悪いとは思わない。それは俺がこの世界に降伏してしまっている印かもしれないが。そんなことどうでもいいからこの肉うまいな。肉なんて一ヶ月ぶりだ。

彼には是や非の感覚などなかった。生きるために必要なものでそこに罪はないと考えていた。よって彼の心には穢れがなく、綺麗な絶望で満ちていた。

肉を食い終わって町をふらつくとどこかの宗教の勧誘だろうか、人はみな平等だという言葉が聞こえてきた。ただのペテン師の台詞だ。平等なんてこの世には存在しない。

次の日、昼飯かわりのパンを頂いて逃げているとこの町に集まるクズ共の行列の中に一人宝石のように光る少女がいた。俺は逃げている途中だったのについ目を奪われ立ち尽くしてしまった。それほど美しく、またどこか見覚えがあった。しかしそれも一瞬だった。彼女の手を見ると手枷がされていて首には首輪があった。そして彼女の目に浮かぶ涙を見たとき彼女はとある金持ちの家に入っていった。俺は絶望に叫びながらそこを走り去った。
彼女は12歳くらいであろうか。彼女の清らかな体に今も金持ちの穢れている手が触れているのだろうか。俺には彼女を救う力はなく、彼女には逆らうための心がない。神様はなんて残酷なのだろう。なんて不平等なのだろう。なぜ俺達だけこんな目に合わなければいけない。

夕暮れになると少年は大振りの剣を盗んだ。彼の体にはそれは大きすぎて、しかし引きずりながらも金持ちの家へ向かって今ではカルマの坂と呼ばれるようになった坂をのぼる。その姿は風と呼ばれた彼とはほど遠く、どこか悲しいものだった。

俺は怒っていた。世界の不平等に。そして俺は信じていた。彼女を守れば俺もまた変われると。今まで何人斬ったのだろう。この重い剣を振り回しこの家の主人の部屋の前につくまでたくさんの人を斬った気がする。誰一人死んでいないし死んでいたとしても罪悪感もないが。そう思いつつドアをあける。
「…ひっ」
そこにはボロボロになった裸の彼女とやるだけやり疲れて眠っている金持ちがいた。彼女は俺を次の相手だと思ったらしく壊された魂で微笑んだ。人はなんで平等ではないのだろう。痺れたような頭で考える。神様はなんて残酷なのだろう。目の前の地獄が信じられない。神様はなんで俺達を救ってくれなかったのだろう。ふらりと少女に近づくと彼女の目がなにかを思い出したように見開かれた。ならば俺が彼女を救う。彼女が小さく名前を呟いた。それは懐かしい響きのもので俺は全てを思い出し、彼女の首に最後の一振りをたたきこんだ。

彼女は少年の姉であった。父、母、姉、少年の四人家族で貧乏ながらも楽しく暮らしていた。少年が三歳になるまでは。少年が三歳になったとき父親が体を壊した。過労だった。一家の働き手を失った家族は崩壊し、少年は口べらしのために捨てられることとなった。そして少年はこの町で暮らしていたのだった。

全てを思い出した俺は泣くことも忘れていた。忘れていた空腹を思い出した。体のどこかが痛かった。心臓のあたりだろうか。なぜかとても痛かった。ここまでして、姉を殺してしまって、これからどうすればいいのだろう。そう考えて思い付いた。姉のところへ行こうと。俺は首に剣をあて、思いっきり、引いた。

「あれ、寝てしまったのかい。」
今は平和な時代。物語を語っていた老人が語りかける。
「まだ起きてるよ!」返ってきたのは元気な少年の声。
「もし罪を犯してしまってもそれから頑張れば取り返せるんだよ」と老人は自分自身に言い聞かせるように言った。
「なに言ってるのおじいちゃん?」と少年は聞き返す。
「大人になったらわかるさ。それまで覚えていなさい。」と老人は言った。
「はーい!ねぇもっとお話して!楽しいやつがいいな!」と少年は無邪気に言った。
「じゃあなんのお話にしようか。桃太郎が鬼を殺したことをひたすら悔やむお話は?」と老人は笑って言う。
「それ聞いたよ。ほかのにしてよ!」と少年は言った。
「はいはい。それじゃこっちにしようか。昔々あるところに・・・」
首に傷のある老人とその孫の夜は更けていく。
どうも作者の結です。初めて小説というものを書いてみましたがとてもむずかしいものですね。こんなものを一生書ける小説家さんの心を解体して中身を見てみたいものです。ということでカルマの坂でした。拙い文章ですいませんでした。
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