肥満症を治療する市販薬の開発をめぐり、大阪市西成区の千本病院が被験者の身長を実際より低く記載していた問題で、治験を担当した医師2人=いずれも退職=が、製薬会社から同病院に支払われた治験費用2460万円のうち計約2400万円を、報酬として受け取っていたことが1日、わかった。病院側に残されたのはわずか約3万円だった。
千本病院によると、治験は製薬大手の小林製薬(大阪市)が依頼。病院は治験施設支援機関大手の「サイトサポート・インスティテュート」(SSI・東京)を通じて、治験費用を受け取ったという。
治験は当時の内科部長と院長の2人が担当。元内科部長は約2154万円、元院長は約245万円を受け取っていた。このほか治験業務に関わっていた看護師1人にも約57万円が支払われていたといい、病院側に残ったのは約3万円だった。