イングランド銀行:初の外国人総裁、カーニー氏が就任
毎日新聞 2013年07月01日 20時24分(最終更新 07月01日 20時38分)
【ロンドン坂井隆之】英国の中央銀行であるイングランド銀行(BOE)総裁に、カナダ人のマーク・カーニー前カナダ銀行(中央銀行)総裁(48)が1日、就任した。319年の歴史を持つBOEで外国人総裁は初めて。BOEは今年4月から金融機関に対する監督権限も移譲されており、回復途上の景気の下支えに加えて、国際金融センター・ロンドンのかじ取り役を担う。
カーニー氏は米投資銀行勤務などを経て、2008年にカナダ銀総裁就任。リーマン・ショック後の金融危機を乗り切った手腕が高く評価され、オズボーン財務相の強い要請で任期途中でBOE総裁に転身した。年金や福利厚生を含め87万4000ポンド(1億3110万円)の報酬契約でも話題になった。
就任にあたっての記者会見の予定はなく、初となる4日の金融政策委員会では「様子見のため現状維持」という市場予想が多い。
ただ、カーニー総裁は就任前の講演などで「(景気刺激のため)金融政策でできることはまだある」と述べている。市場では8月以降、現在の量的緩和政策の拡大や、将来の低金利政策を約束する「時間軸政策」の導入などに踏み切るとの見方が出ている。