Updated: Tokyo  2013/07/02 04:48  |  New York  2013/07/01 15:48  |  London  2013/07/01 20:48
 

EUにクロアチア加盟-東欧諸国の参入は今後しばらく中断か

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  7月1日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)は1日、クロアチアの加盟で28カ国体制となる。東欧の旧共産諸国の新規加盟は9年前に始まったが、参入の流れは2020年まで中断するかもしれない。

クロアチア加盟後、世界最大の貿易圏であるEUに参加した旧共産諸国は計11カ国となる。その人口は合わせて1億人強、経済規模は1兆4000億ドル(約139兆円)だ。バルカン地域では加盟国の人口がギリシャやスロベニアを含め4500万人となり、他の旧ユーゴスラビア諸国とアルバニアが未加盟のまま残されることになる。

同地域では1990年代の紛争後も、コソボからボスニア・ヘルツェゴビナまで火種がくすぶっている。ザグレブ大学のトブラトコ・ジャコビナ教授(歴史学)によれば、世界的な危機による政治的・経済的な影響で、EUのさらなる拡大は少なくとも7年遅れる可能性がある。

ジャコビナ教授は先月27日の電話インタビューで「加盟候補国のモンテネグロやセルビアを含め、2020年を前にEUに加わる国はないだろう」とし、「その時点までに交渉が終わりそうにないというのが主な理由で、EU内で拡大への熱意に欠けているという事情もある」と説明した。

クロアチアと敵対していたセルビアは12年3月にEU加盟候補国となった。先月28日のEU首脳会議では、セルビア加盟交渉を14年1月までに開始することで合意。クロアチアの場合、交渉開始から加盟実現までに8年近くかかった。セルビアは交渉の際にコソボをめぐる問題などを解決する必要がある。

スタンダード・バンク(ロンドン)の新興市場エコノミスト、ティモシー・アッシュ氏は6月27日、加盟交渉のタイミングで「クロアチアは幸運だった」とし、「ドイツは現在、EU拡大に非常に慎重で、新規加盟はさらに一段と困難になるだろう」と語った。

原題:EU to Cap Decade of Eastern Expansion by Taking in Croatia(1)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ザグレブ Jasmina Kuzmanovic jkuzmanovic@bloomberg.net;ベオグラード Gordana Filipovic gfilipovic@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:James M. Gomez jagomez@bloomberg.net

更新日時: 2013/07/01 08:00 JST

 
 
 
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