憲法と、
岐路に立つ憲法。その60年余を見つめ直します
【放送芸能】舞台は東京、どうなるアキ 「あまちゃん」後半へ岩手県の北三陸を舞台にしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」(脚本・宮藤官九郎)が快調だ。びっくりした時に使う「じぇじぇじぇ」は流行語になり、軽快なテーマ曲を含むドラマのサウンドトラック盤も十九日に発売された。半年間の放送は折り返し点を迎え、週明け二十四日から、舞台は北三陸から東京に移り、ドラマのトーンががらりと変わる。後半はいかに?(山岸利行) 平均視聴率(六月十八日まで)は19・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)、二〇〇四年以降の十年では昨年の「梅ちゃん先生」(20・7%)に次ぐ高さ。毎週の視聴率ランキングでも一位か二位がほぼ定位置の優良コンテンツだ。 「弱音を吐かない(ヒロイン役)能年玲奈さんの頑張り、宮藤さんの台本、他の役者さんによるアンサンブルが、広く受け入れられている理由ではないか」と訓覇(くるべ)圭チーフプロデューサーは分析するが、視聴者が一番魅せられているのは「クドカンワールド」全開の脚本だろう。 一九八〇年代へのオマージュから松田聖子ら当時のアイドルの映像を登場させたり、渡辺えり、杉本哲太、荒川良々ら脇を固める俳優陣のくすっと笑わせるせりふやしぐさがキラリと光る。「やってることはマニアックなのに広く受け入れられている。そんなに(視聴率が)とれると思わなかったので、怖い」と訓覇さん。コメディエンヌの才能も発揮している能年も「皆さんのおかげで『あまちゃん』が支えられている。元気でおバカなアキを演じられたら」と気を引き締める。 「見ていて居心地がよく、温かいドラマ」と話すコラムニストのペリー荻野さんは「宮藤さんのドラマを『とがり気味でどうも…』と敬遠していた人たちが、今回は入ってきているのでは」とみている。 大友良英の音楽も受けていて、「元気が出る」と評判のテーマ曲は着うたランキングで一位になったほか、サントラ盤は二万五千枚超の出荷で、「飛び抜けた数字」(業界関係者)と異例の盛り上がり。宮藤が作詞、大友らが作曲した劇中挿入歌「潮騒のメモリー」も人気が出てきており、後半でも新しい歌が登場する。 サントラ盤を発売したレコード会社の担当者は「着うたランキングで一位になった時、『これはすごいぞ』と思った」とあまちゃんブームを実感。サントラ盤には約三十人ものミュージシャンが参加。「バンジョー、打楽器、電子楽器など、さまざまなものを使ってクオリティーの高い作品ができた。音楽を大事にしているドラマで、手間暇かけて作り込まれた」と話す。 後半は、東京・上野界隈(かいわい)を舞台にヒロインが本格的にアイドルをめざす姿を描く。四十七都道府県の地元アイドルを集めた「GMT47」というドラマ上の設定はAKB48を連想させ、「朝ドラとして安易な発想では」との声もあるが、訓覇さんは「業界ものになるとしんどくなるので、そこをどうするか。東京と北三陸のバランスをとりながらやりたい」。3・11も終盤で描く予定で、具体的にどうやるかは作業中という。 ペリー荻野さんは「後半では、高校生だったヒロインが現実の社会に出て、挫折や震災と向き合うことになるのだろうが、これまでの居心地のよさを保ちながらどう折り合いをつけていくかが見どころだと思う。『こう来たか』と思わせる後半の展開が見たい」と期待を込める。 <あまちゃん> 東京で生まれ育った天野アキ(能年玲奈)が母・春子(小泉今日子)の故郷、岩手・北三陸で海女をめざすが、地元アイドルとして人気に。やがて、本格的にアイドルをめざして上京。岩手と東京の人たちに支えられながら成長していく。ナレーションは、これまでの宮本信子に代わって、東京編から能年が担当する。 PR情報
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