練習中に腰の状態を確かめるグランパスのFW玉田=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで(木村尚公撮影)
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腰痛で別メニュー調整が続いている名古屋グランパスのFW玉田圭司(33)が6月30日、中断明けのJリーグ14節・清水戦(6日・豊田ス)に強行出場する意向を明かした。ストイコビッチ監督は不可欠な存在として復帰を期待しており、指揮官の思いに応える考え。玉田が攻撃に変化をつけるコントロールタワーとなり、チームに8試合ぶりの白星をもたらす。
今季を左右する大事な再スタートの一戦に、どうやら玉田が間に合いそうだ。6月半ばから深刻な腰の痛みに襲われ、23日以降は別メニュー調整。29日の阪南大との練習試合も欠場していた。清水戦の出場が危ぶまれていたが、玉田ははっきりと口にした。
「オレは出る。腰? だいぶ良くなっているよ」。患部が腰だけに劇的な回復は望みにくいが、玉田は明るく心配を打ち消す。2日から全体練習に合流する見通しだ。
エースの復帰はストイコビッチ監督も熱望している。阪南大戦後には「玉田はコンディションを整え、清水戦に帰ってくるだろう」と予告。「玉田は自由な役割を担える選手だ」と付け加えた。
ピクシーが語る「自由な役割」こそ、玉田の真骨頂。ポジションや戦術にとらわれず、状況に応じてピッチ内を動き回る。パス、ドリブル、シュート。すべてにたけるファンタジスタ・玉田でなければ担えない。
玉田は「チームには決めごとがあるけど、試合ではうまくいかないときがある。自分の判断で足りないところを補う。攻撃に変化をつけ、バリエーションを加えたい」。自らの力で苦境を打開してみせると話した。
チームは5連敗中。「次の試合の重要性は分かっている」と玉田は言う。チームが苦しいときに輝いてこそ真のエース。すべての期待を受け止め、玉田がピッチに立つ。 (木村尚公)
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