土替え2009年方式
上のやり方をアップした後も、毎年色々なやり方を試行錯誤しています。現時点でベストと思われる方法をご紹介します。
<用土>

エクセルの画面コピーですが、このようなものを使用しています。個々の素材について簡単に説明すると、
赤玉ぼかし・・・発酵肥料日記2010を参照
赤玉中粒・・・ホームセンターで売っている、普通の生の赤玉
リン酸赤玉ぼかし・・・赤玉小粒を過燐酸石灰、骨粉、米ぬか、カニガラ、竹炭などと共に発酵させたもの。菊でよく使われていますが、菊仕様のものをそのままバラに使ってえらい目に遭ったことがあるので、バラ仕様に改変しています。調子に乗って多く使いすぎるとひどいことになります。(笑)
竹炭、籾殻クン炭、パーライト、バーミキュライト・・・省略
笹の葉籾殻馬糞堆肥・・・発酵肥料日記2010を参照
ココピート・・・ヤシガラピートとも言い、ピートモスよりも繊維が荒いものの、同じく酸性。
ピートモス・・・省略
竹パウダー(加賀産)・・・古竹を粉砕、発酵させたもの。これだけを使いすぎると、窒素飢餓を起こす。
孟ツァルト・・・讃岐産の竹パウダー。青竹を粉砕し、竹自身が持つ乳酸菌で発酵させたもの。根張りが格段に良くなるのでオススメだが、10%以上入れると窒素飢餓を起こす。
ゼオライト・・・塩基置換容量が大きく、保肥力がある。
ハイミネコン・・・福島産の貝化石
陸王ミネラ・・・微量要素
有機燐太郎・・・バットグアノ
透水プロ・・・界面活性剤。水の通り道が出来ないよう、水の表面張力を下げるために用いる。類似品として透水源、サチュライドなどがある。水をはじきやすいピートモスでも乾いたまま使用可能。
<用土の混合>

・赤玉ぼかし、赤玉中粒、リン酸赤玉ぼかし、パーライト、竹炭、クンタン、バーミキュライト、ゼオライト、ハイミネコン、陸王ミネラ、有機燐太郎を所定量混ぜ合わせます。バケツなどを使ってキチンと計った方がいいです。でないと、鉢ごとに用土の組成が微妙に変わったりすると、「水の欲しがり度合い」などの品種特性を見抜きにくくなります。
表のゼオライト以下のkg表示しているものに関しては、一度だけ重さを量り、バケツなどに油性ペンで目印を付けておくと、以降いちいち秤を使う必要がなくなります。
次に、その他のものと混ぜ合わせます。夏の間に作っておいた堆肥は、予め必要量ごとに特大土嚢袋に分けてあります。(左の写真)
ピートモス類は、暇な時に手でほぐして、必要量ごとにポリ袋に分けておくといいです(左の写真のポリ袋)。我が家は住宅街ですので、夜間に音を立ててスコップを使うことは出来ませんが、ピートモス類を手でほぐして小分けしておくことは夜でも可能です。
真ん中の写真は、上の黒いのが笹の葉籾殻馬糞堆肥、その下のフカフカがピートモス類、一番下が赤玉類です。これをしっかり混ぜ合わせると右の写真の様になります。これで用土完成です。
透水プロを使うことが前提ですので、一切加水していません。従って、軽くて混ぜやすいです。乾いてもいいので、用土の作り置きも可能です。

<根の整理>

・鉢の周囲を叩いて引っこ抜きます。一見根が少ないように見えますが大丈夫です。(左の写真)
・根鉢をパンチでたたきほぐし、ぶら下げて揺すると、土は全て落ちます。結構根があります。(下左)
・約半分〜3分の1だけ残して、刈り込み鋏でバッサリ切ります。(下右)
*水洗いする必要はありませんが、癌腫などがないかどうか良く確認します。あまり根をフサフサ残しすぎると、次の植え込みのステップで根の間に土が入りにくくなるので、古い根、しょーもない根はある程度整理してしまいます。
*抜いた時に、部分的に土が乾ききっていたり、根が茶色く変色していたり、空洞になっていた場合は、前年の植え方が拙かった証拠です。限られた鉢内空間を効率よく利用し、水はけと水保ちを高次元で両立させるための方法を考えるのに、良い手掛かりになります。

<植え込み>
・まず、鉢の3分の2ぐらいの深さまで土を入れ、拳でぎゅうぎゅうに押し固めます。その後、山型に土を盛り上げて、その上に根を広げて置きます。かなり浅植えです。(左)
・次に、イボ竹を使って、土を隙間にうまく詰め込んでいきます。最初はイボ竹の尖った方を使い、根の隙間に深く突っ込んだ後にゴリゴリ横に動かして土を流し込みます。鉢を回しながら全体的にこの操作を行ったら(=どこにイボ竹を突っ込んでも、アリ地獄のように土が流れ込んでいかなくなったら)、次はイボ竹の丸い方を使って、隙間に土を「押し込んで」いきます。かなり圧縮されるのでどんどん土を追加することになりますが、突き固め植えをすることで水はけが悪くなることはありません。
*特に、クラウン真下の根が又になっている部分に隙間が出来やすいので、要注意です。キチンと植え込み出来たら、支柱無しでも株がぐらつかなくなります。

<水やり>
・10号スリット1鉢あたり、透水プロを1握り程度使います。表土の部分に満遍なくまぶし、上の方だけ手で混ぜます。鉢土全体に透水プロを規定量使う必要はなさそうです。(左)
・数回に分けて十分量潅水します。最初から勢いよくかけすぎると、軽い物体(竹炭、パーライトなど)が浮いて流れてしまいます。
完全に乾いた土を使っても、透水プロを使えば1回目の潅水で鉢中くまなく水が行き渡るようです。
界面活性剤ですので、最初は結構泡が出ます。(右)

<その後の管理>
春の本剪定まで、「表土が乾いたら潅水」を守ります。水のやりすぎはかえって根の回りが遅くなるみたいです。

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