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秋入学見送り―この一歩を次につなげ

社会へのインパクトよりも、現実的な落としどころを選んだということだろう。入学と卒業の時期を海外に合わせ、留学生が行き来しやすくする。東京大学が、その「秋入学」構想を当面[記事全文]

年金未納―若者に身を守る知識を

年金でわが身を守る。保険料の未納が目立つ若者に、そんな意識を広げたい。昨年度の国民年金の保険料納付率は59%だった。前の年度から0・3ポイント改善し、7年ぶりに上昇した[記事全文]

秋入学見送り―この一歩を次につなげ

 社会へのインパクトよりも、現実的な落としどころを選んだということだろう。

 入学と卒業の時期を海外に合わせ、留学生が行き来しやすくする。東京大学が、その「秋入学」構想を当面見送り、代わりに4学期制の導入にかじを切ることを決めた。

 当初の秋入学構想には、「東大だけでなく、社会全体で改革を進めたい」という強いメッセージが込められていた。

 春卒業を前提にした採用活動や国家試験の時期が変わらないと、秋入学は根づかない。ほかの大学と手を結び、企業や官庁に働きかけるとしていた。

 入試と入学の間にできる「空白の半年」を使ってボランティアやホームステイを経験させ、学力以外の力も育む。そんな新鮮なプランも打ち出された。

 これに対して4学期制は、春入学・春卒業の枠は変えずに留学をしやすくするもので、東大単独でできる改革だ。

 世の中を動かす迫力が色あせた感は否めない。だが、それでも一歩前進したのは確かだ。

 国境を越えて人、物、金が動く時代の流れはとまらない。長い目でみれば、大学の国際化をさらに進めるしかない。

 東大は「引き続き秋入学への移行をめざす」と言っている。確かに、日本と海外の垣根をできるだけ低くするには秋入学が最も効果的だろう。問題は、説得力のある実現への道筋を社会に示せるかどうかだ。

 秋入学が壁にぶつかったのは「ひとりではなく、みんなで動く」という構想の魅力が、そのまま弱点でもあったからだ。

 東大が協議を呼びかけた有力大学の中でも、国際化より入試改革を優先する大学や、秋入学以外の道を選ぶ大学があり、足並みがそろわなかった。

 大学がまとまらないことには、経済界や官庁も動きにくい。特に、公務員や国家試験の時期を見直す動きは鈍かった。

 学内からも入学前の半年をめぐり、「家庭の豊かさや住む地域によって、過ごし方に差がつく」などと異論が相次いだ。

 構想は結局、発表から1年半の間に秋入学から春入学・秋始業、さらに4学期制へと姿を変えた。機が熟していないと、東大は認めざるをえなかった。

 ただ、東大の投じた一石が、25年も前から浮かんでは消えていた秋入学という政策課題を動かしたのも事実だ。文部科学省も、秋入学の検討会議を立ち上げることを6月に決めた。

 大学界や政財界、官庁は、今回の一歩を次につなぐよう、努力を続けるべきだ。

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年金未納―若者に身を守る知識を

 年金でわが身を守る。保険料の未納が目立つ若者に、そんな意識を広げたい。

 昨年度の国民年金の保険料納付率は59%だった。前の年度から0・3ポイント改善し、7年ぶりに上昇した。だが、低空飛行には変わりない。

 特に低いのが若い層で、35歳未満では5割前後にすぎない。

 少子高齢化の影響で、若者は将来受け取る年金額が支払い保険料を下回るため、年金不信が強く、未納が多いのは仕方がない――。そう考えがちだ。

 ところが、同志社大学の佐々木一郎准教授は、一連の研究から、損得計算は未納率に大きく影響していないと推測する。

 では、若者はどんな要因で未納になるのか。

 大学生を対象とした調査から浮かんだのは、老後にどのくらいのお金が必要かといった基本的な知識の欠如である。親が子どもの年金加入について関心が低いと、未納になりやすいこともわかった。

 こうした層にこそ、ポイントをしぼった知識を伝えるべきだと佐々木さんは説く。

 まず、高齢者世帯では所得の約7割を公的年金が占めている事実である。長生きすれば、数千万円規模の生活費が必要とされるのに、漠然と「数百万円で足りる」と考えている学生も目につく。

 年金制度に不信を抱いたとしても、老後に一定のお金が必要になることに変わりはない。税金が投入される公的年金を利用しないのは損だ。未納は何の解決にもならず、ほぼ確実に将来の貧困を招く。

 もう一つのポイントは、国民年金が持つ保険としての機能だ。けがや病気で十分に働けなくなっても、月額で約6万5千〜8万2千円の障害年金が受け取れる。

 要は、国や社会のためというよりも、自らのリスク管理に必要な制度であることを分かってもらうのだ。

 正社員なら、本人が意識しなくても勤務先が厚生年金への加入手続きをする。だが、初めて就く仕事が非正規という若者が急増し、いまや大卒男子で4人に1人、高卒女子だと2人に1人に及ぶ。自分の身を守る年金知識の伝授は喫緊の課題だ。

 もちろん、教育だけでは限界がある。

 国の実態調査でも、未納の理由は「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」が7割以上を占める。

 若者に安定した雇用を確保し、将来の展望を持てるようにする。そんな政策が不可欠だ。

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