名前:北川 拓也
現職業:理論物理学者
マイブーム:ビール、チーズフォンヂュ、統計学、経済学、オンライン授業
大切なもの:僕の周りの人たち。
普段、僕は理論物理学者として新しいテクノロジーの提案をしています。50年後に「すげぇな!」と言えるような製品(例えば今でいうiPhoneみたいなもの)が作り出せるように、今までに想像した事も無いような物質を次から次へと提案しているのです。想像力を膨らませる、とても楽しいお仕事なのですが、残念ながら、僕のお仕事には、とても困ったことがあるのです。
僕のお仕事は科学、という分野に関わることです。僕らの周りは、科学者が作り上げたものでいっぱいです。例えば電子レンジ、冷蔵庫、テレビ、インターネット、パソコン、車、などなど。数え上げるときりがありません。毎日みなさんは科学者が作ったものに触れているのですが、ではそのような華々しい成果を生み出した科学者という人間がどういう人たちか、分かりますか?彼らが何をして、どんな生活の中で、これらのテクノロジーを生み出しているのでしょうか?例えば冷蔵庫や電子レンジの仕組み、などの話なら、どこかで聞いたことがあるかもしれません。しかし、「物」ではなく、科学者という「人」の話になると、想像もつかない人が多いと思います。学問がとても専門化した現代において、科学者の世界観というのは人に理解されがたく、不透明になっています。
実は科学者は、みなさんが思っているより遥かに変わった人たちで、そしてかつ、魅力的な人たちなんです。それは科学者に限った事ではありません。学者と呼ばれる、「考えるのが好きな人たち」はみな、素敵な人生観を持っています。彼らはつい一つのことに一生懸命になってしまう悪い癖があるんですが、その反面、いつも面白いお話を知っているんです。もし知り合いに学者の人がいたら、試しに、「最近なんか面白い話ないの?」と聞いてみてください。少なくとも小一時間は熱心に何が楽しいのか、なんで楽しかったのか、を彼/彼女が話してくれるでしょう。
僕が伝えたいのは、「学者である」ということは単に、「研究する人である」ということと同じではない、ということです。それは他のお仕事についても言えることです。例えばある人にとっては、「お医者さん」というのは単に「人の病気を診てくれる人」なのではなく、「私の娘が10歳の時に肺炎になった際に、真っ先にかけつけてくれて、命を救ってくれた方」であるわけです。例えば医龍やブラックジャックなどの医療漫画を思い浮かべてください。同じように学者というお仕事にもお医者さんのようにストーリーが存在します。この学者さんにまつわる話は本当にエキサイティングで楽しいのですが、今まで学者はそれを自分たちだけで独占してきました。それではあまりにもったいない、なんとかして他の人にも伝えていこうよ、というのが僕の考えです。学者の魅力を人に伝える、というのはとても難しいことなのですが、僕はその魅力をストーリーにのせて伝える事で、より簡単に伝える事ができるはずだ、と信じています。
僕が本を読んだり論文を書くソファー
学者の魅力が人に伝わっていない、という問題は、回り回って、学者たちを苦しめる結果となっています。どういうことかって?簡単にいえば、学者はひとりぼっちになってしまったのです。いい事をしていると思い込み、一生懸命やっていたのにも関わらず、誰も理解してくれなくなってしまった。あまりに一生懸命にやったために友達と遊ぶ事をおろそかにしてしまい、周りから友達がいなくなってしまったんですね。これは比喩であり、また文字通りの現実でもあります。特に科学者はこの、ひとりぼっちである、という事実に対してより真剣に向き合うべき時期がきたのではないかと、僕は提案します。強がらなくていいんです。
僕自身が学問の道を歩む上で、これらの問題を解決していきたい、と思うようになりました。つまり、周りの友達に学問の魅力を伝え、もう一度、周りとの関係を構築し直していきたい。そのために僕は二つのことをしていきたいと考えています。まず、学者さんの物語を買いていこう、と思います。何故考える事はそんなにも面白いのか、興奮するのか。具体的なストーリーを通じて、学者という生き方の魅力を伝えたい。さらに、周りに理解されないことによって孤立してしまった学者の生き方に異議を唱えるために、僕自身が自分の生き方を通じて、一つの新しい学者のあり方、というのを実現していきたいと思っています。情報革命が起こった現代において、考える人の活躍の場はすごい勢いで広がっています。学者にとって、第二のルネッサンスが到来しつつあるのではないか、そう信じて、ダヴィンチになるべく、努力を積み重ねていきたいと思います。その日々の営みについては、ブログやTwitterを通じてお伝えしていきます。
学問をすること、それは考えること、理解することです。学者であることはとても人間味溢れたアドベンチャーなんです。ウェブサイトを読んで頂き、是非色々なコメントを下さい!
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