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その背中を見つめながら意味を考える。理解するのに時間がかかったが、意味を解読した男は立ち上がってダークエルフに向かっていった。「わっ!」抱きしめられたダークエルフが悲鳴をあげる。#デレデレダークエルフ

「ちょ、何する」だが、男は答えずに歓声を上げ続けた。「ちょ、こら、おい」注意の声が何度も上がるが、男はダークエルフを離そうとはしなかった。「……もう」頬を膨らませながらも、ダークエルフもどこか嬉しそうであった。#デレデレダークエルフ

二ヶ月後。様々な段取りをかなり短縮しながら男とダークエルフはその日を迎えた。生臭坊主によって行われる結婚式に近所の連中がこぞって集まってきた。新郎の方はいつもよりはしっかりした身なりであるが、花嫁が花嫁なので色褪せてしまう。#デレデレダークエルフ

ダークエルフの花嫁姿──黒一色の婚礼衣装は異色ではあるが彼女の良さを引き立てていた。なんでも、ダークエルフではこの色が基本らしい。「己の我が儘の死を看取る喪服」であり「添い遂げる相手に従う意志」を表すのだとか。#デレデレダークエルフ

人間の男からすればどういう考え方なのだろう、と思ってしまうが、ダークエルフにとって結婚というのはそういうものなのだろう、と思った。ある意味自分の死であり、新しく自分が生まれ変わる、という意味もあるという。#デレデレダークエルフ

そんな男の隣で、ダークエルフは苦笑気味に微笑んでいた。これで良かったのかどうかはまだ分からないが、少なくともこの選択を後悔はしていない。共に過ごす時間があとどれだけあるのか分からないが、いつか来るその瞬間までこの男と共にあろうと思っていた。#デレデレダークエルフ

「なあ」「ん?」「私と一緒でいいんだな?」「当たり前よ」男のその言葉に、ダークエルフは絡ませた腕に身を寄せる。「そっか」そういって微笑む彼女は幸せに満ちていた。#デレデレダークエルフ

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ULTIME_DIEU_AYANERUさん




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