汚れたバッジ:警官脅迫事件/上 組長から祝いの花
毎日新聞 2013年06月01日 中部朝刊
城容疑者を知る弁護士は「一般論」と前置きした上で、「捜査経験や人脈が豊富なヤメ検(検事上がりの弁護士)は、反社会的勢力にとって味方につけたい存在。刑事弁護をやっているうちはいいが、こうした勢力の民事訴訟を引き受けて金が入ると、取り込まれてしまう人もいる」と指摘する。こうしたヤメ検の存在は、石油卸商社から約179億円相当の約束手形をだまし取ったとして実刑が確定し、「闇社会の守護神」と呼ばれた田中森一(もりかず)・元検事(69)が関与した「石橋産業事件」でクローズアップされた。
佐藤容疑者が風俗業界での地位を固めつつあった03年、城容疑者の名が県内の長者番付に載った。納税額は約3453万円。医者や会社役員が居並ぶ中、弁護士でランクインしたのは1人だけ。表と裏にありながら、2人は軌を一にするように、それぞれの高みに立とうとしていた。