汚れたバッジ:警官脅迫事件/上 組長から祝いの花

毎日新聞 2013年06月01日 中部朝刊

 敏腕弁護士の顔に困惑の色が広がっていた。2011年6月中旬、名古屋市中区丸の内の城(たち)綜合(そうごう)法律事務所。市街を一望する14階の応接室で、あるじの城正憲容疑者(65)は「参ったな」と繰り返した。「警察官を脅しているんでしょ。みっくんには逃げてもらうよ」。その言葉を聞いた風俗店グループ「ブルーグループ」幹部(当時)の山口修容疑者(38)は、グループを率いる佐藤義徳容疑者(55)からの指示だ、と思った。事務所を出ると、グループ幹部(当時)の「みっくん」こと青木公司容疑者(43)の携帯電話を鳴らした。「逃げろと言ってますよ」−−。関係者が明かした今回の犯人隠避容疑事件の内幕だ。

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 城容疑者は愛知県愛西市出身。1970年に中央大法学部を卒業後、79年に検事に任官した。大阪、東京地検を回った後、92年の名古屋地検を最後に秋霜烈日の検察官記章を置き、ひまわりの弁護士バッジを付けた。

 経歴を武器に開業早々、複数の大手企業と顧問契約を結ぶ。「僕ほど多くの顧問企業を抱えている弁護士は、名古屋にはいないでしょ」。かつて、親しい記者にそう話したことがある。刑事弁護も積極的にこなした。05年には背任罪に問われた地方銀行の元頭取の主任弁護人を務め、無罪を勝ち取った。

 ただ、黒い評判が付きまとった。「暴力団関係者の弁護ばかりしている」

 事務所が現在の場所に移った97年ごろ、所用で訪れた知人は目を疑った。移転祝いの花に大物暴力団組長の名前が記されていたからだ。城容疑者に水を向けると「こんな人にまで花をもらっちゃってねえ」。うれしそうに話したという。

 佐藤容疑者との接点が最初に確認できるのもその頃だ。同年に脱税事件で在宅起訴された佐藤容疑者の弁護人を務め、99年に設立された佐藤容疑者の会社の監査役に就任した。

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