中韓首脳会談:孤立懸念の日本、対話模索
毎日新聞 2013年06月28日 東京朝刊
中韓の接近に日本政府内では「孤立化」懸念も出ている。中韓との関係改善を図るため、日本はブルネイで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連外相会議に合わせ、岸田文雄外相と韓国の尹炳世(ユンビョンセ)外相の会談を7月1日にも行う調整をしているほか、中国の王毅外相とも非公式な立ち話などでの対話を模索している。
韓国の朴槿恵(パククネ)大統領は米国、日本の順で行っていた首脳会談の慣例を破り、中国の習近平(しゅうきんぺい)国家主席と会談した。菅義偉官房長官は27日の記者会見で、「日韓は隣国ゆえの困難な問題もあるが、大局的な観点に立って協力関係を発展させたい」と、関係改善に意欲を示した。
日韓外相会談は昨年9月以来で、安倍、朴両政権下では初となる。会談では、北朝鮮の核・ミサイル問題などを主に協議し、連携強化のために両国関係の改善の必要性を確認する見通しだ。
一方、中国については、安倍晋三首相の外交ブレーンを務める谷内正太郎・内閣官房参与が6月中旬に訪中し、対話の可能性を探っていた。外相間の対話が実現すれば、昨年9月の日中外相会談以来。政府関係者は「席に座っての会談は難しい。立ち話程度は可能ではないか」と述べた。【吉永康朗】