【峯村健司】中国各地で、兵士の規律低下が問題視されている。その背景にある大きな要因が「一人っ子政策」だ。
北朝鮮兵士投降に衝撃台湾、精鋭化狙い志願制へ中国軍系の解放軍報は2011年3月、演習での失敗例について詳しく報じた。瀋陽軍区の装甲師団が戦車による敵地急襲を訓練したが、あっさりと「敵方」に発見されてしまったという。軍機関紙には珍しく否定的な報道だった。
ある一人の兵士が、携帯音楽プレーヤーを使っていたために探知された。音楽好きで「訓練中でも手放したくなかった」と調べに答えたという。甘やかされがちで、わがままな「小皇帝」とも呼ばれる一人っ子世代らしい態度といえる。
中国軍は徴兵制と志願制を併用しているが、近年は事実上、志願兵だけで定員が満たされてきた。18歳になる男子の中から、各地方政府が体力や思想検査に合格した者を採用している。
もともと軍隊は、除隊後も共産党員になったり国有企業に入ったりするのに有利なため、人気の職場だった。特に現金収入が少ない農村の第2子、3子にとってはあこがれの的だった。
ところが「一人っ子政策」世代が入隊するようになると、志願者は激減した。入隊に反対する親も少なくない。北京だけでみても適齢の若者は08年に56万人いたが、12年には30万人まで落ち込んだ。
軍シンクタンク関係者は「さらに少子化が進めば軍の存亡にかかわる深刻な問題となる」と危機感をあらわにする。
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朝日新聞国際報道部