虚構の環:第3部・安全保障の陰で/3 近づく再処理工場の稼働
毎日新聞 2013年06月28日 東京朝刊
外務省幹部は「ホワイトハウス中枢からことあるごとにプルトニウムに関する懸念を伝えられるが『国際原子力機関(IAEA)の厳しい査察を受けている』と答えるしかない」と頭を抱える。
第2回の2国間委員会は来月にも米国で開催される。余剰プルトニウム問題が取り上げられるのは必至な情勢で、内閣府関係者は「米側は日本に対し正式にプルトニウム削減を求めるのではないか」と予想した。その通りなら、プルトニウムを新たに生み出す六ケ所の稼働は延期するか、プルトニウムを使うプルサーマルを早期に再開するか選択を迫られる。経産省中堅幹部は「プルサーマル再開を急ぐ」。
原発事故への反省もないまま、政策回帰が急速に進む。=つづく