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交通違反タクシー続出 横断歩道で客待ち 仙台駅前
 | 歩行者用信号が青にもかかわらず、交差点内でドアを開けて客待ちするタクシー=17日午後8時半ごろ、仙台市青葉区中央1丁目(写真は一部加工しています) |
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仙台市青葉区のJR仙台駅北側のスクランブル交差点の横断歩道で客待ちするタクシーが相次ぎ、歩行者の通行を妨げている。仙台中央署や業界団体が取り締まりに力を入れるが、違反車両が後を絶たない。大型観光宣伝「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン(DC)」が今月末まで展開される中、「東北の玄関口のイメージに水を差さないでほしい」との声が出ている。
アエルと仙台パルコ間の車道の信号が青になると、数台のタクシーが横断歩道に入り、歩行者用信号が青になってもとどまる−。現場ではこんな風景がよく見られる。複数の歩行者は「よけて渡るのが大変」「タクシーを避けた自転車と接触しそうになった」と語る。 現場にいたタクシーの男性運転手(63)は「国道45号方面に帰宅する女性が多く、良くないと思いつつ無理をしてしまう」と明かす。別の男性運転手(57)は「乗り場に並ばなくても客を拾える場所。気軽に違反を繰り返すのだろう」と顔をしかめる。 中央署は1〜5月、市中心部の横断歩道で駐停車違反をしたとして、延べ46人のタクシー運転手を任意で調べた。県タクシー協会仙台地区総支部も街頭指導に当たり、昨年度は延べ1231人の運転手を指導した。違反した営業車の番号を事業者に報告しているが、解消には至っていない。 タクシーが交通違反を重ねた場合、道路運送法に基づく事業者への車両停止処分などがある。それでも違反が続く背景に、関係者はタクシーの供給過剰を指摘する。 仙台市内で流し営業をするタクシー運転手は約6150人。2002年の規制緩和で著しく台数が増えた後、労働環境が厳しくなった。 県内のタクシー運転手の平均年収は東日本大震災後に需要が急増した11年でも296万円。全労働者の平均より188万円低く、「収入確保のため、なりふり構わない運転手もいる」(東北運輸局)という。 東北運輸局やタクシー協会、県警などでつくる「仙台市タクシー事業適正化・活性化協議会」は横断歩道の約10メートル北にあるタクシー乗り場の表示を目立たせるなどの対策を検討している。 仙台地区総支部の柴山隆常任理事は「一部の運転手のルール違反が業界全体と仙台のイメージを悪化させる。改善を急ぎたい」と話す。
2013年06月29日土曜日
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