東日本大震災:福島第1原発事故 内部被ばく、2・3歳児検査実施へ 希望者に来月から
毎日新聞 2013年06月30日 東京朝刊
東京電力福島第1原発事故後、ホールボディーカウンター(WBC)による住民の内部被ばく検査を進めている「震災復興支援放射能対策研究所」(福島県平田村)は7月から、希望者を対象に2、3歳児の無料検査を始める。3歳以下の乳幼児は体格が装置に合わないため対象外だったが、「保護者の不安解消につなげたい」と、台座を用いた測定方法と独自の計算式を考案し、初めて実現にこぎ着けた。
研究所は2011年6月、併設する「ひらた中央病院」で4歳以上の希望者全員の無料検査を始め、今年6月までに県内外32市町村の約4万人が受検した。福島県も同じ時期から、妊婦や4〜18歳を中心に検査し、3月末までの受検者は計12万3050人に上った。
だが、WBCでの測定は装置の前に立って実施するため、体が小さい3歳以下の子どもは正確な測定が困難だった。乳幼児の検査を望む保護者は多く、研究所が対応を検討。放射性物質を内部に備えた人形で実験するなどし、子どもを高さ50センチの台に乗せる方法に加え、大人と幼児の測定結果の誤差を補正する手法を編み出した。
研究所は東京大の早野龍五教授(物理学)らと、0歳児から測定できる乳幼児専用WBCの開発も進めており、9月にも運用を始めたい考え。問い合わせは同研究所(0120・06・4771)。【神保圭作】