今季3勝目の福原。全部サヨナラなんて、まさに“福”の神です(撮影・中川春佳)【拡大】
(セ・リーグ、阪神4x-3広島、7回戦、阪神4勝3敗、29日、甲子園)毎日のように登場する男たちが、当たり前のようにゼロを並べる。和田監督も賛辞を惜しむことはなかった。
「毎度だが、そこが1番の(勝てた)要因。あとの投手が1点も取られずしのいでくれたんで、それがあってのサヨナラになった」
メッセンジャーが五回でマウンドを去った後をつないだリリーバー。指揮官は4枚のカードを切った。渡辺、安藤、加藤、そして福原。縁の下で堪え忍んだ継投があったからこそ、ドラマは生まれたのだ。
でも、猛虎の“縁の下”からは最近、続々とヒーローが生まれている。前夜(28日)はプロ初セーブの加藤。そしてこの日-。
「運が良かったね」
サラリと振り返ったのは、九回を3人斬りして、タナボタの3勝目を手にした福原だ。しかも、この3勝、すべてサヨナラ勝ち。今月6日の西武戦、9日のロッテ戦ともにマートンがサヨナラ弾を放ったおかげで、今度は大和のおかげで。何と1カ月にサヨナラで3勝の荒稼ぎだ。これで福原は昨年9月19日から4連勝、甲子園では2011年から5連勝となった。
「みんなが次につなごうという意識で頑張っているから」
救援スタッフの踏ん張りを、こう表現した福原。七回をゼロ封の安藤も笑顔だ。
「みんな頑張っているから。中6日の影響? 以前に中12日ってのもあったから問題ないよ」
ちなみに、この安藤も今月2日に、9年ぶりセーブをマークしている。
地道に耐えて投げる男たちに、スポットライトが照らされる。花が咲き乱れる“縁の下”。この珍しい光景、見たければ甲子園へどうぞ。(上田雅昭)
(紙面から)