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大鰐線廃止「社内で意思統一」
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弘南鉄道(本社平川市)の船越弘造社長が大鰐線(中央弘前―大鰐間13.9キロ)の廃止方針を示して一夜明けた28日、関係自治体に反発が広がり、利用者からは困惑の声が上がった。船越社長は同日の本紙取材に、廃止については社内で意思統一が図られていると主張。代替交通はJRと弘南バスがあるとして「考えていない」と述べた。
船越社長は27日の株主総会で大鰐線廃止を言明。28日の取材に「(廃止は)ずっと前から考えていた。利用者数が明確に落ちていて、決断を早くした方が良いと考え、まず株主に説明した」とした。今後、関係自治体に説明した上で、取締役会や株主総会などに諮る方針を示した。
廃止時期を3年以上先の2017年3月末とした理由について「沿線には学校があり、進路選択にも影響を及ぼすため、ソフトランディングさせたいと思った」と説明した。
一方、大鰐線沿線の弘前、大鰐両市町は同日、同社本社に担当者を派遣。菊池信雄専務と下山敏則常務が応対した。市によると、社長はこれまで、運行に対する自治体からの費用支援(跨線橋改修やレール交換などの費用の一部を除く)を受けない姿勢を貫いているが、両市町は大鰐線存続へさまざまな支援法を協議していくことを提案。弘南線(弘前―黒石間16.8キロ)を含む沿線市町村、商工団体などで組織する「弘南鉄道活性化支援協議会」(会長・葛西憲之市長)に早急に説明するよう申し入れた。
葛西市長は同日の定例記者会見で「これからの高齢化社会に向けて、鉄路は極めて大事な公共交通。なくすることがあってはならない」と、廃止に反対する考えを強調した。
市は大鰐線の魅力向上を図るため、乗務員「トレインキャスト」の配置(10、11年度)などの単独事業を実施してきた経緯があるだけに、同市長は「(廃止について)私どもに一切通知もなく、一方的に話があったことに憤りを覚える」と不快感をあらわにした。
大鰐町の山田年伸町長も「発言の前に話し合いを持ってほしかった。弘前市と協力しながら存続に向けた協議をしたい」と話した。
一方、弘南線沿線の自治体からは一定の理解を示す声も。黒石市の鳴海広道市長は「弘南鉄道も努力していたようだが、現実は毎年赤字。先の見通しが暗いとなれば会社としてもやむを得なかったと思う」、同社の本社がある平川市の大川喜代治市長は「会社の存続、社員のことを考え苦渋の決断を下したのだと思う」と語った。
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