軍事ジャーナリストの神浦元彰氏は「ゴムボートは海洋に出た際に救難信号が出るようになっています。その時点で(保安庁などの関連機関は)助ける義務が生じる。これは漁船なども一緒。救助された側が費用を負担することはない」と指摘。山での遭難とは違い、海難事故の場合は事故負担はない。つまり、もとをたどれば税金が使われるわけだ。
神浦氏はその金額について「遭難場所など、状況によって大きく変わりますが、数百万円じゃきかない。今回の事故が宮城県沖1200キロの太平洋上といった考慮すると、1000万円以上といったところでしょうか」と推測する。ちなみに「日本の水上での救難技術は世界一。今回のような気象条件で、荒れ狂う海に着水して救難できるのは日本ぐらい」(神浦氏)と、映画「海猿」で有名になった海難救助技能を評価した。
だが、夢の太平洋横断は一転。辛坊氏への批判は避けられそうにない。22日未明、東京・新宿区の吉本興業東京本部での会見で辛坊氏は「本当にご迷惑をお掛けしました。救助していただいた関係各所の皆様方に心より感謝いたします。私たち2人のために大切な税金を使っていただくことになった。こうなった以上は問題はたくさんあったということ」と岩本氏らとともに頭を下げた。辛坊氏の手には、救助に当たった「海上自衛隊岩国第71航空隊」のワッペンが握り締められていた。
事故については「波は穏やかで速度は7ノットほどだった。24マイルレンジレーダーに何も障害物がないことを確認して仮眠を取った。すると、何かにドーンとぶつかる音がして、HIROさんの『浸水しています』という声で覚醒した。3回、突き上げるような感じ。浸水の感じから10分もたたずに沈没するだろうなと感じたので脱出した。破損の場所などは目視で確認していない」。海域は深さ1000メートル級の場所で「岩などに乗り上げることは絶対にない場所」(辛坊氏)のため、岩本氏は「クジラに突き上げられたと感じた」と推測した。
今後について聞かれると、辛坊氏は憔悴しきった表情で「“どのツラ下げて”という思いはある。しばらく、自省する必要があると思う」と活動自粛をにおわせた。再チャレンジについても「これだけたくさんの人に迷惑かけて、口が裂けても『もう1度やりたい』なんて言えない」とうなだれた。週明けには海上保安庁におもむき、事故原因の説明を行う。
ともかく、命が助かったのは不幸中の幸い。辛坊氏は「この国の国民であってよかったと思った」と日本の海難救助体制への感謝も漏らしたが、恐縮の日々が当分、続きそうだ。
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