食品の有効性や安全性を評価するには、通常「試験管内での実験→動物実験→ヒトでの試験」と3つの段階的な実験がありますが、それぞれ以下のような問題点があります。 ・試験管内での実験…その研究結果が体内でも同様に再現されるかどうかわからない。 ・ ネズミなどの動物実験…ヒトとネズミの違い (種差) があるため、その結果をヒトに直接当てはめることができない。動物実験だけでは「ヒトが食べても大丈夫な量」の推測には不十分である。 ・ヒトを対象とした実験…各個人の体質等の違い (年齢、性別、遺伝的要素) 、食習慣など、種々の要因によって影響の受け易さが異なるため、必ずしも多くの人に適用できるとは限らない。
ヒトでの実験は、倫理的・コスト的な両面で最も実施が困難な研究ですが、科学的根拠として実生活に最も必要なのは、ヒトでの試験結果と考えられています。なぜなら、食品は人間が口に入れて食べるものなので、有効性だけでなく安全性まで確認しなければなりません。そのためにはヒト試験の結果が必要だからです。
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