9党幹事長討論会:オスプレイ「思いつきで言うな」石破氏
毎日新聞 2013年06月29日 23時40分(最終更新 06月30日 02時48分)
◇与野党9党幹事長・書記局長討論会(29日・大阪市、関西プレスクラブ主催)
各党同士の討論で自民党の石破茂幹事長は、「(開催地が)大阪でもありますし」と日本維新の会の松野頼久国会議員団幹事長を指名し、米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイ訓練の受け入れ問題について質問。橋下徹大阪市長(維新共同代表)が提案する八尾空港(大阪府八尾市)での訓練について、「軍事の基礎知識があれば適切でないと分かる」と指摘した。
元防衛庁長官の石破氏は、▽燃料給油施設が新たに必要▽格納庫のスペースがない▽住宅密集地にある−−の3点から困難だと指摘。「安全保障政策の基本中の基本だ」と述べて、提案の実現性や軍事的合理性について「僕らが判断できるわけがない。日米両政府の仕事」とする橋下氏の主張を否定した。
松野氏は「沖縄の負担軽減は具体的に議論されたことがない。先鞭(せんべん)をつけたかったと思う」と橋下氏を擁護。さらに自らの質問時には石破氏を指名し、「自民党沖縄県連は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の県外移設を掲げるが、党本部とねじれている。沖縄の負担をどう他県に持っていくのか」と反撃した。
しかし石破氏は「県連の意見には真剣に答えを出す」とかわし、「軍事的合理性を考えないで思いつきで発言しても、米軍からも受け入れの地元からも理解を得られない」と熱弁。「本当に本土で受け入れる気持ちがないのに、『沖縄の負担を軽減する』と言うな、ということだ」と説いた。【野口武則】